おばあちゃんに親切な息子
今日も今日とて文句の多い息子。
スピードを出すところじゃない道でスピードを出す車には文句を言い、運転マナーが悪いドライバーには鋭くツッコミを入れ、たむろして騒いでいる若者には苦言を呈する——うちの息子は、とにかく文句が多い。
だけど、そんな息子には優しい一面がある。
それは「おばあちゃん」に対して、特別に優しいということ。
近所に息子のひぃおばあちゃん(私の祖母)が住んでいて、中学の不登校だった頃も、月に2〜3回は一緒に車で食事に出かけていた。
息子の髪がどんどん伸びていっても、機嫌が悪い日があっても、ひぃおばあちゃんはいつも変わらず優しく接してくれた。
怒ることは絶対にない。
何度同じ話をしても忘れてしまうひぃおばあちゃんに、息子は嫌な顔せず、何度でも同じように話を返す。
ときにはゲームの話など、ひぃおばあちゃんには分からない話題でも構わず話し続け、それでもひぃおばあちゃんはニコニコ聞いていた。
もうひぃおばあちゃんは亡くなってしまったけれど、その時間は、息子にとっても私にとっても、かけがえのないものだった。
滑りやすそうな場所では注意をし、歩幅を自然に合わせて歩く。そんなことは、息子にとって“当たり前”だった。
その経験があってか、今でも息子は世の中のおばあちゃんに親切だ。
駅の階段で荷物を持ってあげたり、道に迷っている人に声をかけたり。普段は文句ばかりの息子だけど、ふとした時に見せる優しさに、私は癒されている。
難しいところだらけの息子だけど、素敵な一面もあるのだ。




