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良い意味での現実逃避

息子の中学不登校の期間、私は良い意味で“現実逃避”をしていた。

不登校が始まったばかりの頃は、親にとってもつらいものがある。

考えたくなくても、息子のこれからを思うと不安になるし、自分のしてきたことに後悔も募る。


仕事に向かう途中、普通に通学している学生を見るだけで、その姿が眩しくて泣きそうになった。

もし不登校じゃなければ、息子もこの日常の中にいたのかもしれない。


そんなある日、教育センターで聞いた話がヒントになった。

「先が見えない子どもに、数年後の自分の姿を想像させてみては?」というアドバイスだった。


気持ちが不安定な日々の中、私も「不登校が終わった未来」を想像してみた。

数年後、不登校だった頃を笑って話せるようになっている自分を思い描くと、少しだけ気持ちが軽くなった。


もともとは息子へのアドバイスだったけれど、それは私自身を励ます言葉にもなった。


今は見えなくても、きっと耐えた先には明るい何かが待っている。

寄り道した分、人生がもっと面白くなるかもしれない――そんな小さな期待を持って、今をやり過ごしていた。


また、息子に意識が向きすぎないように、自分が熱中できることを探すのも大事だった。

私はもともと漫画やゲームが好きで、家で過ごすのに退屈することはなかった。

何かに夢中になっている間は、余計なことを考えずにいられた。


とにかく、息子の不登校が「日常」になるまで、そして親である私自身がその状況に囚われすぎなくなるまで、

“現実逃避”は私にとって大切な時間だった。


不登校中の親の過ごし方に、正解なんてない。

買い物したっていいし、贅沢したってかまわない。

自分が快適に過ごせるように努力することは、むしろ大事なことだと思う。


そして、親が穏やかでいられると、それはきっと子どもにも伝染していく。

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