第九十一話ダンジョン攻略九日目2 《スキル》と《魔法》検証2
正直辛い……
「少し辛いですね……一気にごっそり持っていかれました」
「『魔力のステータス』って確か『S』まで伸びてたわよね……それで《《辛い》》ってどれだけ魔力を持っていかれてるのよ……でも対人戦を考えると便利な《魔法》よ。パーティー運用はもの凄く厳しいけど……アタシが入って見てもあんまり効果が分かんないよね……多分レベルや魔力の値が高すぎて抵抗出来ているんでしょうね……レベル3までなら問題なく通じると思うわ」
なら今回の大会でも問題なく使えそうだ。
「それにしても、『朝家の守護者』と称された源頼光公由来の《魔法》とは……第一|《魔法》の【皇武神の加護】に通じる所がありますね……後の武士時代を彩った清和源氏にとっては、八幡神は武家の祖神。光公やその配下たちは雷獣や鬼を斬り殺した英雄の祖神です。また、源頼光公に毒酒を授けたのは、石清水八幡宮の八幡大菩薩、二柱目は熊野権現、三柱目が住吉大明神である事を考えても縁が深いですね……まぁ八幡神以外は複数の神様を纏めた言い方なので今風に言えばユニット名なんですけどね……」
「へぇ~奇妙な縁もあったものね~」
師匠は呑気に呟いた。
「新の『【集中】』は力を溜め、全ての次の行動を上昇させる。』だったよね。コレも実際に試して見ないと分からないですよね……」
「そうね……じゃぁ先ずは袈裟斬りをやって見て」
「わかりました。でもショートソードなんで不格好ですよ?」
「いいからやる」
ショートソードを正眼に構え一歩踏み込むと同時に、剣を振り下ろす。
しかし、二人の反応はあまりよいモノではなかった。
「『ステータス』に振り回されているって感じですね……」
「集中って言うぐらいだから、溜めたり気合を入れないとダメって事か?」
――――と考察する師匠。
「じゃぁ次は渾身の一撃を放つつもりでやって見ます」
ショートソードを正眼に構える。
目指すのは|あの日《あの進化したオークと戦って》以来届いていない限界のその先の技だ。無駄な力なんて一切入っていない。今出来るものよりも数段上の高みそれを意識して剣を振う。
一歩踏み込むと同時に、剣を振り下ろす。
自分でもショートソードを振った軌跡が綺麗だと言う事は容易に気が付けた。
「一気に技量が上がりましたこれが《スキル》の恩恵でしょうか?」
「『【集中】は力を溜め、全ての次の行動を上昇させる。』だったわよね。もしかしたら疑似的にだけどステータスを上昇させるモノなのかも……例えばトモエちゃんの【戦車】や【怪力】と似たようなものかも……」
「なら【集中】は、『技巧』が上がる《スキル》と言う事でしょうか?」
「恐らく違うと思うわ……多分だけど」
――――と前置きを挟む。
「『力』、『耐久』、『技巧』、『敏捷』、『魔力』の基本ステータスと、『幸運』などを含む《《全ての》》『《《ステータス》》』が上がると思うの……『ステータス』は難解で『上昇』、『向上』、『強化』とヒョーゲンが違うんだけど……恐らく強化の補正が違うと言われているのんだけど……この《スキル》は《《それが記載されていない》》の……
多分【集中】の説明通り、力を溜める事でその倍率が爆発的に変化する任意発動型の《スキル》だと思うわ……普通こういう倍率変化系の《スキル》は、トモエちゃんの【怪力】は『体力を消費する代わりに『力』を強化する』、と言うように対価が明示されているんだけどこれにはそれがないそれ自体が異常ね……」
「例えば【戦車】であれば、『一対複数あるいは複数対複数の時に全能力が上昇し『力』と『耐久』が向上する。一対一の場合には『敏捷』と『技巧』が向上する。』などのように、条件が定義されている事が多いんだけどね……『力を溜め』が条件と言えない事もないんだけど……それでも緩い部類だと思うわ……」
「なるほどATL〇Sゲームでお馴染みのヒー〇ライザって感じですね……攻撃・防御力と命中・回避率を上昇させる万能バフ魔法ですね……欲しい能力を切り替えて上昇させられのは単純に強いですよね……」
「トモエちゃんてホントにゲームが好きなのね……勧められて始めたけど5は変にリアルよね。都会育ちとしては4の雰囲気が好きね。『ぼくのな〇やすみ』みたいで……」
(番長は俺も好きだけど、『ぼくのな〇やすみ』が好きなら『オラと博士の夏休み』でもやってろ!)
「電車通学ですから、その間に出来る娯楽は読書やゲーム、アニメを見る事ぐらいですから……電車と言えば3のあのダークのな雰囲気もいいですよね……」
3,4のリメイクが現行の全プラットフォームで出た事は嬉しい。宇宙樹の迷宮も1~3のリメイクの移植が最新ハードで遊べるのはありがたいが、流石に話がソレ過ぎだ。と思い軌道修正にはいる。
――――とヒートアップする二人を止めるために俺は声を上げた。
「次は実戦で試して見ましょうか……」
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