第八十四話家系ラーメン2
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チャーシューの下に白髪ネギが潜んでいるようで、たっぷりのほうれん草と海苔の磯の匂いがまた食欲をそそる。
塩分を欲した身体がスープを飲みたいと喉をごくりと鳴らす。
割りばしを割り、蓮華で先ずはスープを一口、啜る。
表面に層をなした鶏油が、香り豊かな鶏の旨味と香りを漂わせ、ベースである豚骨も豚の旨味を確りと舌の上で感じさせ、鶏油と豚骨出汁のお陰か濃いめなのだが、醤油ダレの尖った醤油の塩味を感じる事はなく、豚骨の出汁が醤油をまろやかにさせている。
これぞ! 美味しいモノは脂肪と糖で出来ている。理論の完成形と言っていい。
何度かスープを啜りったところで、チャーシューと白髪ネギの下で待ち構えている。硬めの麺を箸でリフトアップし啜る。
太麺で短めの王道家系ラーメン仕様の平打ち麺は、豚骨スープを適度にその身に纏わせ、少し歯応えのあるモチモチとした食感と存在感のある喉越しがまたいい。
ここでキンキンに冷えたお冷で口内を冷やし、洗い流し一度リセットする事で、一口目には劣るものの家系ラーメンの悪魔的な旨味を新鮮な気持ちで楽しむ事が出来る。
中継ぎとしてほうれん草が野菜として、スープのくどさを中和してくれる。
コップのお冷が無くなったので、手をぎゅっと握りしめ砂漠葬送のマネをすると、ピッチャーから注ぎ完飲する。
「美味しいですね。このジャンクな味がたまりません」
「確かにこんなしょっぱいものばっかり食べてたら肝臓壊しまちゃうけどたまらない……うますぎて馬になちゃう」
「ふふふふふ、ずきゅんどん走り出しますか? 確かに脂も多いですし……肌荒れないといいけど……」
麺を半分ほど食べた所でここから味変をする。
「味変カンフージェネレイションよ……」
麺に直で生ニンニクを乗せ、乘りでまふうばしてそのまま啜る。
コレがRED尊師流の食べ方……
海苔、ニンニク、スープの香りが口の中一杯に広がり、そのまま白米を食べたくなるほどの悪魔的な美味さだ。
「ニンニクのライブ感が、たまんない!」
「美味しそうですけど明日が大変になりそうですね……」
お嬢様はちょっと引き気味のようだ。
「騙されたと思って一口だけやってみてください。美味しいですよ?」
「では一口だけ……」
小さじに乗せたおろしニンニクを麺の上に乗せ、海苔で包んで一口で頬張った。
「――――!?」
何も言わず白米を箸で摘まんで口に運ぶと咀嚼して飲み込んだ。
「何と言うジャンクさでしょう! 美味しい! 美味し過ぎます!」
目をキラキラと輝かせているその様子を見る限り、大変喜んでくれたみたいだ。
「これもお勧めだよ」
先ず、海苔をスープに浸してから白米の上に乗せ、豆板醤とおろしニンニクお好みで胡椒をかけてから、巻くようにして米を包み大きな口を開けて一口で食べる。
恐る恐ると言った様子で中原さんも真似をする。
豚骨スープの脂の甘みと塩っぽさに海苔のほぐれ、とろけるような不思議な食感。豆板醤とニンニクの辛みと薫りと旨味が舌を刺す。
そしてそれを優しく受け止めるコメのモチモチした歯触りの粒状感に、他の食材の味わいが全部載せられて家系ラーメンの全てが一口で感じられるようだ。
「美味しいですね。脂のまろやかさにニンニクと豆板醬がいいアクセントになっています」
最後に味玉を白米の上に乗せ、卵を割る。するとドビュっと卵黄が零れ、白米にかかる。
そこへ餃子のタレをかけると味卵、玉子かけごはんになる。餃子タレに入っている酢の酸味が良いアクセントになる。
豆板醤とニンニクに海苔と一緒に食べても美味い。
「味玉TKGですか……おいしそうでね……私はスープをかけて食べる派ですが、豆板醤とニンニクは薬味としていいかもしれません」
そう言うと、スープを蓮華で二杯ほどかけて味玉を割って食べる。
確かにそれも美味しそうだ。
ラーメンの最後の味変に、甘酢ショウガ、ニンニク、お酢、胡椒、ニンニク、玉葱を潜影蛇手一混ぜする。
こうする事で家系スープの印象がガラリと変わる。
例えるなら数年ぶりにあったら太っていた友達がシュっとしていたとか……フカ〇ルからガバ〇トに進化すると痩せて高身長になるとかそう言う感じだ。
甘酢ショウガのお陰でスープ甘味が脂の甘味と甘酢の甘味……二種類の甘さになりスープの味に奥行きが出る。
そこに胡椒とニンニクのガツンとした香りと、お酢の酸味が脂と醤油感を弱め全体的にまろやかにしつつ、お酢の酸味がスッキリさをプラスする。
中継ぎのほうれん草が居ない今、中継ぎをしてくれるのは、スープに沈んだ生玉葱と甘酢ショウガだけだ。
スープと一緒にたまねぎを食べれば、辛味と香りが鼻と舌を抜けいい感じの送りバントを繋いでくれる。
甘酢ショウガも噛めばしみ込んだ甘酢を吐き出し、高い味変能力を持っている。
甘酢ショウガと麺を同時に啜れば、あぁ^~たまらねぇぜ。
そのまま麺を食べ冷水で口内を洗浄。
手を合わせ「はい。穢土転」と短く呟き口元をティッシュで拭う。
「美味しかった。また来ましょうねRAIME交換しましょう……私は少し用事があるので先に帰って貰って大丈夫ですよ」
「じゃぁまた」
こうして俺は冒険を終えた。
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