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【第二章開始】俺だけヘルモードな件~鬼畜難易度ですがその代わり確定レアドロップで最強です。病気の妹を治すために裏庭のダンジョンに潜りポーションを手に入れたい。借金一億あるけど余裕で返す  作者: そう
第1章 庭にダンジョンが出来たので冒険者になった

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第六十六話7月31日出校日2

 俺は優しく声を掛ける。だが数百にも及ぶモンスターの命を奪ってきた俺、その俺から滲み出た殺気を纏う雰囲気に飲まれたのか、利根川は「ヒっ!」と短い悲鳴をあげる。

 恐怖のせいか利根川は、「ぶっ殺す!」とお決まりの文句を言うと、喧嘩慣れしていないのか大振りのパンチを放つ。


 パンチと言うよりも失敗した投球フォームって感じだな……大振りである事に加え、レベル2の『ステータス』の恩恵と立花さんの特訓によって、利根川のパンチはハッキリと見える。しかもステータスが低いのか、戦闘経験が少ないのか余裕を持って返しを決める事ができるほど遅かった。


遅いな……


 俺が何か策があるのか? と勘ぐってしまう程に……


 俺は繰り出された右腕を左手で掴み、右手で制服の胸倉を掴むと右足の踵で払いのけるように膝を蹴り飛ばし、右手と右足で反対の力をかけて利根川のバランスを崩して投げる。いわゆる大外刈りという柔道の投げ技を我流でアレンジしたものだ。


 利根川からしたら、瞬き程度の刹那の時間で気が付いたら投げられていたと言った所だろう。

 一応怪我をしないように左手で、利根川の右手だけは持っている。



「冒険者ってのはさぁ『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ! その時すでに行動は終わっているんだッ! 殆ど毎日ダンジョンに潜ってたからよぉコボルトやゴブリンと戯れてたから、お前みたいな奴の扱いは慣れたんだ」

 

「――――っ!!」



 ゴブリンやコボルトと一緒にされたことが、自尊心を傷付けたのか声にならない声を上げ絶叫する。


 俺は利根川の右手を離し制服を整える。



「言葉で解決を計るのが文明人だ。お前みたいに直ぐに暴力に走る奴は猿や野蛮人と一緒だ」


「ちっ!」


「冒険者ギルドで会わない限り、知らないハズだよなぁ? 最低でもD級装備が要るんだそれを満たせるのは、この教室にいる生徒の内数名ぐらいだろうよ。なぁ……横井?」



 俺は一番怪しいと感じている。冒険者になった事で一軍入りを果たしている横井を名指しで呼ぶ。

 こいつとは短く浅い付き合いだが俺には分かる。こいつは裏で暗躍し、二番手として美味しいところだけを得よとする狐のような奴だ。


「あ、バレた? ホントゴメンな……悪気はないんだ。前に加藤ぽい奴をダンジョンで見てさ、妹さんが病気って言ってたから回復薬が必要な病気なのかなって思って、話したらこんな風になっちゃったんだ。もしそうなら、妹さんの病気が治る見込みがあるって事だろ? 闇雲にバイト漬けの頃よりは、希望があるんじゃないかって話してただけなんだ……」



 横井の反応は、気持ちの悪いぐらいこちらの敵意を削ぐものだった。適度に茶化しを入れつつ、謝罪の言葉を口にする。そして、悪意からの行動の結果ではなく、善意の行動が裏目に出ただけだとアピールする事で、俺を攻撃し印象の悪くなった利根川一人を悪役にして切り捨てる事で、自分も被害者であると言うムーブを作ってそれを周囲にアピールする。

 実に巧い。俺や、利根川を含めた数人は「どう考えてもお前のせいだろ!」と言う気持ちはあるが他の数十人は、「善意の行動が裏目に出ただけなのに……それを責めるなんて、加藤と言う奴は最低な奴だ!」と感じる事に成る。


 クラス内において立場が上の横井が内心はどうあれ、謝罪の言葉を口にしているのだ。俺の感情にままに奴を糾弾すれば、証拠が揃ってない以上、モブで陰キャでぼっちの俺が悪役になってしまう。

 認めたくないものだが、これが現実。これがクラスカースト……立ち位置の差だ。


 爽やかないい奴と言うイメージを持たれている横井のイメージを逆に利用する。



「わざとじゃないんだろうけどさ、こうやって注目されたりすのは少し気分が悪いかな……妹の事だって触れて欲しいような話題じゃないし、皆だって聞いてて楽しいような話でもないしね」


「――――センシティブな話題だった。ホントにゴメン! でもなんでわざわざこの夏から冒険者なんて始めたんだ? 例えばポーションが欲しいなら金はかかるけど買えばいい話だ。金があったのなら、高校入学と同時にライセンスを取ればよかっただけの話なのに……」 


 横井はハッキリと言葉にせず。「ゴールデンウイークにでも取得すればよかったのに……俺見たいに……」と言うニュアンスを含ませた。

 だが既にソコは責められても痛くも痒くもない。大義名分があるからな……


「ああ、その事《《家の庭にダンジョン》》が出来たんだ。ダンジョンを管理する建物を建てるローンを組むのに、俺が冒険者になると都合が良かったんだよ。

 それに爺ちゃんに、スタンピードが起こった時のために冒険者の資格とある程度の強さを手に入れろって言われてね。妹の側に居てやりたいんだけど仕方なく潜っているってわけさ、そのお陰で死にかけたしレベル1にもなったよ」



 つまらない理由だろ? とでも言わんばかりに理由を喋る。



「お、おい。家の庭にダンジョンが出来たって言ったよな? 確かお前徒歩通学だよな? 駅前よりも近くにダンジョンがあるって事か?」



 横井は声を荒げ興奮を露わにする。

 俺は否定も肯定もせずにニッコリと微笑んだ。



「いつ完成するんだ?」


「二週間ぐらい前に見つけて今は業者がもう入っているから……国と県と市が助成してくれても一億円のローンを組んだよハハハハハ。いつ終わるのかと言われても業者じゃないから分からないよ……完成したら是非来てくれよ。《《少し遠いけど》》駅前ダンジョンよりは人が少なくなると思うよ?」



 ――――と大事な部分を濁して説明する。駅前ダンジョンよりはアクセス悪いからなぁ……路線バス増やして対策するかんじかな? 今度鳥山さん来るって言ってたし聞いてみよう。 

 読んでいただき、ありがとうございました!


 少しでも面白い! 


 続きが読みたい! 


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