第五十二話7月29日ダンジョン七日目1
数日間の死闘や激闘のお陰で大分ステータスが伸びた。
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加藤光太郎
Lv.1
力:A → S
耐久:D → A
技巧:B → S
敏捷:C → A
魔力:E → C
幸運:I
《魔法》
【皇武神の加護】
・『南無八幡大菩薩』
・詠唱する事で金属に『鏖殺』の特権を与える。
・『性質の強化』と、呪いに分類される頭を割るような激痛を相手に与える。
《スキル》
【禍転じて福と為す】
・障碍を打ち破った場合、相応の報酬が与えられ、獲得する経験が上昇する。
・障碍が与えられる。また全てのモンスターの戦闘能力が上昇する。
・モンスターの落とすアイテムの質が良くなる。またステータス幸運を表示する。
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二日前に立花銀雪さんに、ボコボコにされたお陰で『耐久』と『技巧』のステータスが爆増している。《魔法》もダンジョンの中で使いまくっているお陰で、伸びが物凄くいい。
これなら左側の奥に進んでも多分大丈夫だろう……でも保険が欲しいな……
俺は駆け足で、カウンターに向かう。
整理券を受け取り、手近なソファーに腰を降ろす。
館内放送と頭上や壁に掛けられた大型モニターを気に掛けながら、立花銀雪さんに、「次に訓練の都合が付く日はいつですか?」とLIMEでメッセージを入力していると、ランプが点灯する。
モニターに文字が表示され、単語、単語で切り貼りされた合成音声が、呼び出しする。
『615番で、お待ちの、お客様、カウンター、へどうぞ』
発券された感熱紙に目を落とすと、印字された数字は呼び出しがった『615番』、館内にある地図や案内表示によると、二番の『買い取りカウンター』に行けという事らしい。
頭上にある表示に従ってとぼとぼと歩いて行く……
カウンターの上部には電光掲示板が存在しており、『615番』と表記された場所に行くといつものお姉さんがそこに居た。
「珍しいわね。今日はいつもに比べて早いじゃない……」
どうやら早朝に潜って、帰って来たと思っているらしい。
「違うんです。どっちかって言うと寝坊しまして……」
|ここ数日の特訓と映画館デートで《どっちもデートか?》、精神も肉体も休まる事無く、|気が付いたら寝過ごしてしまった《ボッチには休息が必要な》のだ。
「先輩から聞いたわよ……昨日は一人でスタンピードを終息させたんですって? おまけにあの立花銀雪さんに指導を受けたんですもの、一日二日で疲労が抜けなくても仕方がないわよ。まぁ若いんだから何事も経験よ」
と言って、カラカラと笑っている。
俺は目隠れ系男女や、田舎に転校したシスコン番長でも、ましてや屋根裏のゴミではないので、そんなハードスケジュールは御免こうむりたい。
俺の呆れ顔を見てわざとらしく、ごほんと咳払いをすると俺の要件を聞いてきた。
「という事は、今日はダンジョンで得たアイテムの買戻しの話かしら……」
「そうなんです。なんだか数日前から嫌な感じがするんです。その保険で回復薬を買いたいなって思って……」
お姉さんは逡巡したような表情を浮かべると、小さく手招きをした。
どうたら、顔を防弾ガラスに近づけろと言う事らしい。
お姉さんはマイクの胸元にある。ヘッドセットのスイッチを切ると小声で呟いた。
「他言無用でお願いしたいんだけど、今月に入ってからイレギュラーの報告件数が激増しているのよ……」
俺は目を見開いた。
もしかして俺のせいか? だが今月なら俺のせいとは限らない。
俺の《スキル》【禍転じて福と為す】は、全モンスターを強化し障碍と呼ばれる特別なモンスターを生み出す。その影響が他人に起きるかもしれない。と言う簡単な想像に至れなかった事を恥じる。
「だからキミ目当てで来たって言う立花さんも面倒な事はあるけど、JSUSA豊橋支部としては棚から牡丹餅って状況よ。
彼女に調査を依頼すれば、その分費用がかかるからね……職員としては本当はこんな事言っちゃいけないんだけど、暫くはダンジョンに潜らない方が良いと思うの……」
彼女は親切心から、自分の職を危うくしてまで警告してくれているのに……俺は自分のせいかも?と言う、漠然とした疑問を解消するためだけに、ダンジョンに潜ろうとしている。
「ご忠告、ありがとうございます。なら俺行かないと……回復薬なんですけど買えるだけ全部買います。武器の買い取りで相殺できますか?」
と確認を取る。
「確かにこのランクのポーションなら、相殺できるけど……いいの?」
本当にそれでいいの? と言いたげな視線を向けてくる。
なにより一番大事な事は、命を守る事だ。
優れた武器ならもう持っているしな……
「結構ランクの高い武器が多かったみたいだけど……主兵装って刀だったわよね……」
「ええそうです」
「ならこの短剣持っていった方が良いと思うの! 前に解体用のナイフで戦う事もあるって言っていたから、もしもの武器として丁度いいと思うの」
確かに邪魔にならない手頃な大きさで、良く斬れそうだ。
「等級はEランクだから、もの凄く高い訳じゃない点もお勧ポイントね」
保険としてはありだな……
「ではそれも貰います」
こうして俺は当てにしていた収入を殆ど消費し、手に入れた保険を持ちダンジョンに潜る事にした。
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