第三十六話7月26日焼肉を食べよう(個人店)2
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牛タンを食べる頃にはご飯茶碗は空になっていた。
ライスを特盛でお代わりして、次はキムチをツマミながらハラミを焼く、赤身肉を濃厚にしたような味わいのこの部位は実は内臓に分類され、部位としてはしゃっくりで有名な横隔膜だ。
キムチも旨味と唐辛子の辛味そして林檎か砂糖か……ほんのりとした甘みが箸を加速させ米をかきこませる。
そうこうしている間に、ハラミが焼きあがる。
香ばしい焼き色が付き、表面に脂が浮かんで来たので食べごろだろう……
トングでハラミを掴むと、カリッとした表面を一瞬撫でるが、少し強めに持ってやると、脂が滲み柔らかな中身のフニフニとした弾力が押し返して来る。
先ずは塩タレからだ。タレにつけコメの上に乗せ、脂とタレを吸わせたところでコメごと肉をかきこむ。
ガス火によって焦がされた表面の香ばしい香りに、檸檬の爽やかな香りが加わり、どうしても少しは出てしまう内臓の癖を和らげてくれる。
カリっとした歯ごたえと内部の柔らかく弾力のある食感の変化が面白い。柔らかい肉質とカリッとした表面で対比構造が出来て、より美味しさを感じる事が出来る。
赤身肉のように脂の少ない肉質だが、内臓ゆえの濃厚な肉の旨味が口いっぱいに広がる。
内臓系のペースト感やプリプリとしたゴムのような舌ざわりや食感が苦手で、なおかつ脂身が元々好きではない俺にとって、赤身や赤身に近い肉質の内臓である横隔膜は特に好きな部位だ。
次々と焼いている間に牛テールで口直しをする。
優しい味わいに人参や玉葱セロリの入ったコンソメのような味わい深い優しいスープだ。
クズ肉や人参、玉葱も柔らかく甘味が付くなっていて体が温まる。
焼きあがったハラミをフルーツベースの醤油タレに、一度ダイブさせて白米にバウンドさせて白米をかきこむ。
ガス火によって焦がされた表面の香ばしい香りに、フルーツと醤油の香りが加わり、どうしても少しは出てしまう内臓の癖を和らげてくれる。
赤身肉のように脂の少ない肉質だが、内臓ゆえの濃厚な肉の旨味が口いっぱいに広がる。
(やっぱり俺は醤油ベースの味が好きだなぁ~、檸檬も良いけどご飯と組み合わせると、柑橘系の爽やかなすっぱい香りは少しミスマッチな気がするんだよなぁ~)
サイドメニューのキムチ、うま塩キャベツ、牛テールスープを満遍なく摘まみながら口内をリセットしていく。
口内の脂を洗い流すために都度オレンジジュースを飲むのだがコレがまた美味しい。オレンジの味が濃いのは当然として嫌な酸味やえぐみが全くないのだ。
次に本命の脂身を食べる。
トングを使って脂の多いタレの良く絡んだ漬けカルビを一枚掴み。網の上に網の中心部に肉を置く、基本に忠実に中心部の高火力で一気に焼き上げる事で、表面はパリッと中はふっくらとした仕上がりになる。肉がちじみ。表面に脂が浮かんで来たところで、肉をひっくり返し焼き色が付けば食べごろだ。
空かさずトングで肉を掴みご飯の上にダイブさせるとご飯事、大きく口を開いて肉を頬張る。
口の中で牛の脂の旨味が爆発し、醤油ベースの漬けタレの焦げた香ばしさい香りが鼻の奥へと突き抜ける。
「美味い。ああ、ダンジョン産の食材ってコレの何倍ぐらい美味しいんだろう……ダンジョン産の食材が数年前から出回っているけど、どれもこれもべらぼうに高いんだよなぁ……オマケに詐欺や食品偽装も多いみたいだし怖くて買えないよ……」
肉の〆として牛ロースを食べる。
程よくサシの入った少し厚めに切られた。牛ロースをトングを使って一枚一枚丁寧に掴み。
網の上に網の中心部に肉を置く、基本に忠実に中心部の高火力で一気に焼き上げる事で、表面はパリッと中はふっくらとした仕上がりになる。肉がちじみ。表面に脂が浮かんで来たところで、肉をひっくり返し焼き色が付けば食べごろだ。
醤油ベースの甘タレを付けて先ずは一口。
(流石食べ放題系焼肉とは違う中級店。肉の旨味が段違いだ)
空かさず白米をかきこみ口内を中和させる。
くどいと感じない程度の程いサシの入ったロースは、特別柔らかい訳でもゴムのように硬い訳でもなく、肩の筋肉として程よい食感に、赤身肉の旨味を備えていて人生で食べて来た赤身肉の中では最上位の美味さだ。
モンスターの肉はその元になった生物の肉質をより濃厚にしたものだと聞いているので、これより上があるのかと考える少し凹むが今は目の前の肉に集中しよう。
牛ロースと牛テールスープ、うま塩キャベツにサービスのキムチをローテーションするように食べると見る見ると白米が消費されていく……
茶碗4杯も米を食べ終わると、デザートにレモンのジェラートを食べて口内をさっぱりとリフレッシュする。
「良い食べっぷりだね。部活かなにかの帰りかい? また寄っておくれよキムチとご飯ぐらいはサービスしてあげるからね。お会計は端数切って5000円だよ」
「でも……」
「若いんだから甘えておきなさい」
「ありがとうございます」
こうして俺は帰路に就いた。
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