第三十二話7月25日ダンジョン五日目1オーク1
今日で5日目のダンジョンに潜る。
ソッコーでスライムエリアを抜け、バットやゴブリン共を斬り進む……
「ステータス上昇のお陰で、武器持ちゴブリン程度なら一撃で倒せるようになったぞ! 少しづつだけど自分が成長しているって実感できるのは、ヤル気に繋がるな……」
武器なしコボルトが、十メートルぐらいの距離に見える。
前までなら一撃で葬るのは難しい敵だったが……
「『南無八幡大菩薩』」
――――と短文呪文を詠唱し、《魔法》【皇武神の加護】を発動させ、刀身に『鏖殺』の特権を付与する。
すると刀身は、雷のような金色に輝く輝剣となる。
いつ見ても惚れ惚れする程、危険で美しい。
走りながら近づき、見よう見まねの抜刀術を試す。
鞘から抜きざまに放たれた一撃で、コボルトの断ち辛い毛皮を意図もたやすく切り裂き絶命させる。
「流石、複合付与魔法……あの断ち辛い毛皮がまるで紙みたいだ……」
それは何も俺の腕だけによるものではない。
確かに、『力』と『技巧』のステータスは上昇しているが、《魔法》【皇武神の加護】の二つ目の『性質の強化』によるところが大きい。
『性質の強化』により切れ味が上昇しているからだ。
「これで金策効率もかなり上がるな y(^ヮ^)y」
こうして《魔法》を使いながら、奥へ奥へと進む事にした。
「大分進んできたな……」
ここに来るまでかれこれ50匹以上、モンスターを狩っている。
だいぶ慣れてきた気がするが、無補給だとパフォーマンスが下がる。
しっかり目に昼食を取ると、やはり低下しそうなので、ダンジョンダイブ中はこまめなエネルギー補充と、気分転換も兼ねてチョコバーやプロテインバーを愛用している。
そんな感じで乾燥したソレを齧りつつ、歩みを進めていると、数十メートル先に幾つかの人影が見える。
初めてのPTとの遭遇だ、左側だと奥へ進まないと稼げないのだろうか?
だが、少し近づいて見て違和感に気付いた、『オーク』だ。
豚のような醜くい顔つき、病的なまでに青白い色の肌、150~170㎝程の体高、筋骨隆々で腹の出ている個体もいる。
動きは非常に鈍重であるが、身の丈程の巨石を軽々と振り回すその怪力は、駆け出しの冒険者に致命傷を与えるには十分であり、また筋肉と脂肪に覆われた体は、生半可な刺突や斬撃を防ぐほどである。
良く観察してみると、ピッケルを持って壁を掘っているように見える。
見る限りは戦闘能力は高くなく、《《鉱山労働者》》にしか見えない。
「オーク労働者って所か……」
ダンジョン産の鉱石でも掘り出しているのだろうか?
俺は宝石(輝石)は好きだが、どの石かわかる程の知識はないので、オーク共が何を掘っているのかは分からない。
「モンスターが鉱石を集め武器を作る」……なんて話は講習テキストでも見た事がない。
だが実際、冒険者はコボルト等から鉱石を奪い、金に換えている。
鉱脈を見つけて自分で掘る冒険者もいると聞くが、複数人で挑まなければ、掘っている最中に背後から奇襲される可能性が高くなる事を考えれば、ソロ専用みたいな自動発動スキル持ちの俺には縁遠い話だ。
当然、理由も分からないが、そろそろ武器を新調する必要がある俺には、こういったコボルトやオークの類は、正直嬉しい。
「ここは万全を期して……『南無八幡大菩薩』」
――――と短文呪文を詠唱し、《魔法》【皇武神の加護】を発動させ、刀身に『鏖殺』の特権を付与する。
じわじわと『魔力』が減るのではなく、一度に持っていかれる感じだ。
小さな光の粒が明滅し、剣の軌跡を追うように追従する。
「フォースが共にあらんことを……雷刀成敗……なーんつってw」
光輝く刀身に気が付いたオーク達、総勢5名がこちらに向かってくる。下り勾配が急なため、接敵は数秒遅れると判断。
凄い形相で肩を怒らせ迫るその姿と、少しの猶予に思わす独り言ちる。
「ガラ悪いなぁ、元ヤン監督と現場作業員って感じかよw……」
※あくまで個人の感想です、気に障ったら御免なさい※
風体から想像通り、雑な振り下ろしの一撃をヒラリと躱し、そのピッケルを持つ右腕に斬り付ける――――
「っっしゃぁぁぁあああっっーー」
ザシュり!
丸太のような太い二の腕を骨ごと斬り飛ばし、驚愕と痛みで歪んだ顔へ向け、すかさず返しの二刀目を放つ。
首筋目掛けて放った横なぎにより首を跳ねると、即座に地面を蹴って追撃を躱す。
大きく後方に飛び退きながら頭を振り、周囲の状況を見回す。
5体のオークのうち一体は死亡、残り@4。
|すっっごく周りがゆっくりに感じる!《ゾーンに入った》
ジェダイの騎士みたく、ビームすらパリィできそうだゼ!
距離の程近い一体は、ピッケルを振り下ろし伸びきった状態で、すぐの追撃は心配無い。
他オーク2体は、宙を舞う俺をみて「今が好機!!」とでも思ったのか、ピッケルやスコップ片手に襲い掛かって来る。
ゴツゴツとした岩壁を蹴って、着地点をずらし、オークの肉壁をすり抜け、のこり3体は置き去りにし、一際肉付きの良いオークを狙う。
「丁度いい! 狙い通り!」
コボルト戦で上がった『力:B』と『敏捷:C』を存分に使い、音が出る程強く踏み込み、砲弾の様に急加速。
後方に一人取り残されたオークに接近し、輝剣を逆袈裟に振い、その首を一振りで跳ね飛ばす。
「――――っと、危ねっっ!」
加速がつきすぎ身体が流れるも、『力:B』のステータスで急ブレーキ。
くるりと身を翻して、地面を踏み締め一度停止、残り@3に向き直る。
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