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第二十八話7月23日ダンジョン生活四日目5実験


 そんな事を考えながら、解体ナイフ片手に刀を振るう。



「あっ失敗した……」


戦闘相手(ゴブリン)が死骸でバランスを崩し、【皇武神の加護(ディバイン・ブレス)】の付与された切っ先が、その胸板を薄く切るに止まった。 皮一枚って言った所かな……

 


「運の良いゴブリンも居たもんだ……」


 全く、この不運が強敵との戦闘中に起こらなくて、本当に良かった。

しかしゴブリンは、斬られた胸を押さえるのではなく、その頭を抱え地に伏せ苦しんでいる。



「もしかしてこれが3つ目の呪い(カース)に分類される耐えがたい痛みを相手に与える。って効果(やつ)か?……結構エグイな……」



 偶然効果検証が終わったなと、ポリポリと頬を人差し指で掻く


「まぁ、可哀そうだし殺すか……」



 頭を抱え、土下座のような姿勢で差し出された首を刎ね、絶命させる。


 実感できる範囲だけでも、大幅に攻撃力が強化されたのでよしとしておこう……



「さて、後は楽しい剥ぎ取りタイムだ!(あー働きたくないでこざる)」



 から元気の言葉を口にし、ただ黙々と剥ぎ取る。

途中、匂いに誘われたモンスターを殺しつつ、死骸の数を減らすのだった。



 まぁ今は一端落付いて、お茶とチョコバーを齧っている所だ。



「疲れたぁ~~今日は隠れてるモンスター狩りやめようかな? 

でも塵も積もれば何とやらだし、毎日のバイクのガソリン代と間食代に、武器のメンテナンス代以上は稼がないといけないし……仕方ない今日もやりますか……」



 手に入れた魔石をウエストポーチに仕舞って、コボルトから強奪した袋にも魔石を仕舞っていく……



「確かコボルトって元々、醜い妖精・精霊で家事を対価と引き換えにやってくれたり、鉱脈に住んでる悪戯好きのボガート・ノーム・ノッカー・ブラウニー・ゴブリンの仲間だった筈(と同一視される)

特に金属由来のネタが多くって、確かコバルトの語源だっけ?

 そう言えば買い取りの人が、浅い階層でも貴金属やダンジョン金属を持ってて、ある意味ガチャチケモンスターって言ってたなw」



 そんな事を考えながら、道中現れる雑魚を屠りながら引き返し、ダンジョンの出入り口でゲートにライセンスをかざしている時の事だった。



「今日はまた、一段と大量ですね」



 パンパンに膨らんだウエストポーチを指さし、ゲート監視のお姉さんが、ニッコリと微笑んで話しかけて来た。

ここ一週間ピーク時間を外し、短時間でのIn・Outをしている為、記憶にも残ろうというものだが…


 ダンジョン職員という事もあり、ジャケットにスラックスと、服装こそキャリアウーマン風ではあるものの、雰囲気は体育会系女子OGのそれ、目立たず武装までし、誘導棒を手にする姿に、微妙な丁寧語になるのは、ある意味仕方がないことだろう。


 

「ええ、モンスターにモンスターをぶつけて結構倒せたんですよ」


「それは良かったですね。今、買い取りカウンター空いてるので直ぐに対応できると思いますよ?」


「ありがとうございます。 じゃぁすぐに換金してきますね。

 お仕事ご苦労様です(^^)ゝ」


 俺は駆け足でカウンターに向かう。

 整理券を受け取ると、直ぐにランプが点灯し機械音声で自分の番号が呼ばれる。



「お待たせ致しました。拾得物をこちらにお願いします」



 受付の人がそう言うと、カウンターの下の部分が空き、宝箱ごと荷物が吸い込まれていく。



「ライセンスと振込先カードをお願いします」



 俺はカードを提出する。



「確認いたします」


「今日も結構な数ですね。そんなにモンスターに遭遇しますか?」


「ええ、結構いますよ。他の方はそんなに稼いでないんですか?」


「ええ、この時期は学生探索者が増えますから、中層以上に潜らないと実入りが減るそうです。ですからどこにそれだけの数のモンスターが居るのかと思いまして……」


「なるほどそう言う事ですか……僕の潜ってる方全然人が来ないんですよね……」


「それってもしかして……大きな分岐を左に行った方ですか?」


「ええ、パンツが赤かったので左にしました」


「左側は中層に直ぐ降りられるショートカットの一つなので注意してください。出来ればいかない方が良いとは思いますが……」


「気を付けます」


「それと前回も申し上げた通り、申し訳ありませんが、マジックアイテムやそれに類似する品の買取査定には、確認作業に少々時間がかかります。

 今この場で査定額を算出する事が出来ないので、お預かりしさせて頂き、後日査定額を通知するという流れになりますが、ご了承ください。」


「分かりました」


「魔石が225個になりますので暫定で……75,500円になります。武器が未定ですので、1,2週間で査定が完了しますのでその時にお支払いいたします」


「お預かり証明書にサインお願いします」



 証書にサインをする。



「こちらがお控えとなっています。なくさないようにお願いします。本日は御利用ありがとうございました」


「ありがとうございます」



 今日は少し贅沢して……探索者でも入れるサウナに行くか……お値段も1000円とお手頃で、武器収納ロッカーの貸し出し付きと言う優良店だ。サウナと数種類の風呂で疲れを取ろう。


 俺はルンルン気分で駅前にあるサウナに向かった。 

 読んでいただき、ありがとうございました!


 少しでも面白い! 


 続きが読みたい! 


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