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昔から可愛がっていた妹の親友がヤンデレになってしまいました

作者: 底花

「お兄さん、目が覚めましたか?」


 声をかけられ意識が覚醒した。寝てしまっていたらしい。ベッドから急いで起きようとすると違和感に気づいた。両手は革手錠、両足は縄で拘束されている。しかも、腹の上には先ほどの声の主である莉那(りな)ちゃんが馬乗りになっていた。


「今の状況に気づいたみたいですね。じゃあ始めましょうか」


 いや、全然現状を把握できていないのだけれど。一体何故こんな状況になったのだろうか。俺は今日の記憶を遡ってみた。




裕一(ゆういち)、莉那ちゃん来てるわよ」


 昼寝をしていた俺は母のその一声で目が覚めた。ベッドから飛び起き身支度をして急いで莉那ちゃんの待つ玄関へ向かった。


「全く、莉那ちゃんを待たせるなんて。私とお父さんは昨日言った通り夜まで出かけてくるから2人でどこか行くときは戸締まりしっかりしてね」


「分かったって、じゃあ莉那ちゃん俺の部屋まで行こうか」


「はい!」


 そう元気よく返事をしてくれた彼女は上田莉那(うえだりな)ちゃん。妹の愛海(あみ)の親友で俺の高校での1年下の後輩でもある。莉那ちゃんは妹と小学校の頃から交流があり、うちにも昔からよく遊びに来ていた。はじめに会った時はあまり話すことは出来なかったが、何度も家で会ううちに少しずつ話してくれるようになり中学に上がる頃には積極的に莉那ちゃんの方から声をかけてくれるようになった。


 中学生になってからは俺に勉強を教わりに家まで来るようになり、俺もその期待に応えるために裏で必死に予習、復習を頑張った。高校生になってもその関係は変わらず、こうして時々愛海がいないときにも莉那ちゃんは勉強を教わりに来るのだった。


「ここはさっき教えた公式を応用すれば解けるよ」


「はい、ここに公式を使って……。解けました!」


 莉那ちゃんは頭がいい。教えたことはしっかり1回で覚えてくれるしミスも少ない。正直、俺がわざわざ教える必要もないと思うくらいだ。莉那ちゃんにも1度そう言ってみたが俺の教え方が上手いから自分の成績が良いのだとつっぱねられてしまった。まあ、愛海と莉那ちゃんに勉強教えることで復習になっているから俺も教えること自体は嫌ではないのだけれど。


「うん、正解。時間もキリがいいし一旦休憩しようか」


「分かりました」


「じゃあ、お菓子と飲み物とってくるね」


「私も手伝いましょうか?」


「大した量じゃないから1人で大丈夫だよ」


 数分後、俺は菓子とジュースをお盆に乗せ自分の部屋まで戻ってきた。


「持ってきたよ」


「ありがとうございます」


 さっきまで勉強に使っていたミニテーブルにお盆を乗せる。置いてあった教科書やノートは俺が取りに行っている時に莉那ちゃんが予め片づけておいてくれたみたいだ。俺がジュースを飲もうとすると莉那ちゃんに声をかけられた。


「あの、すみません。私ちょっと玄関に忘れ物しちゃったみたいでとってきます」


「いいよ、俺がとってくる。何忘れたの?」


 聞いてみると小さなポーチを置いてきたようだ。俺はコップをミニテーブルに置き玄関に向かった。玄関を見渡すとお目当ての物は分かりやすい所に置いてありすぐに見つけることが出来た。


「これであってるかな?」


「これです。わざわざありがとうございます」


 部屋に戻って確認するとどうやら合っていたらしい。用も済み改めて持ってきたジュースを飲もうとすると俺をじっと見てくる莉那ちゃんの視線が気になった。


「莉那ちゃん俺の顔に何かついてる?」


「いえ、気にせず飲んでください」


 こちらの気にしすぎだろうか。まあいい、喉が渇いていたこともあり俺はコップの中のジュースを1口で飲み干した。俺が飲んだ事を確認した後、莉那ちゃんも続くように菓子に手を付け始めた。その後だ、急に睡魔が襲ってきたのは。昼寝までして睡眠時間は十分なはずなのに眠気がひどく、莉那ちゃんに仮眠をとると言って俺はベッドに倒れた。そして、ようやく目が覚めた時には完全に拘束されていたというわけだ。




「お兄さんどうしたんですか? まだ眠いんですか」


 こんな状況ではおちおち寝ていられない。いや、さっきまでぐっすりだったけども。


「もう流石に目が覚めたよ。というか莉那ちゃんもしかして俺に何か盛った?」


 記憶を遡って分かったのはあまりにも眠くなったタイミングが不自然だということだ。飲み食いしてから急に寝てしまい、その結果拘束されてしまった。理由は知らないけど俺の拘束が目的ならその前に眠くなったのも莉那ちゃんが原因であるはずだ。


「はい、私が普段寝付けないときに使っている睡眠薬を少量ドリンクに盛らせていただきました」


 薬を盛ったのはポーチを玄関に取りに行ったときだろう。忘れ物をしたと言えば俺が率先して取りに行くことまで読まれていたのか。


「なるほどね。で俺を拘束している目的は何かな。悪戯ならそろそろ解いてほしいんだけど」


 悪戯にしては睡眠薬を使うなど少々手が込んでいる気がするが俺は楽観的に考えることにした。


「まだ分かりませんか?」


 莉那ちゃんが微笑む。女の子が笑っている様子を見て怖いと思うのはこれがはじめてかもしれない。


「今からお兄さんは私と1つになるんですよ」


 俺の楽観的な考えは脆くも崩れ去った。




「あの莉那ちゃん? 本気で言ってるの?」


「本気じゃなかったらお兄さんを拘束したりしていません」


 それもそうである。今この状況が莉那ちゃんは本気だという紛れもない証拠だ。


「そうだよね。なんでそんな事をしようと思ったのかって聞いてもいい?」


 動機を聞けば現状を打破できるヒントがつかめるかもしれない。そもそも莉那ちゃんは何か勘違いをしてこんな凶行に及んでしまった可能性もある。話を聞いて誤解が解けるのならば解いておきたい。


「分かりました。少し長くなりますけどいいですか?」


 そう言うと莉那ちゃんはこんな行動に出たきっかけを話し始めた。


「1ヶ月くらい前に私、愛海ちゃんに相談したんです」


「何を?」


「お兄さんと付き合いたいけどどうすればいいかって」


 なんて相談しているんだ。俺と付き合いたい? 莉那ちゃんは俺を好きなのか?


「その顔は信じていませんねお兄さん。私は小学生の頃から今までずっとお兄さんのこと好きですよ」


 思っていたよりも前から俺のこと好きでいてくれたみたいだ。ただそうすると疑問が残る。


「だったらなんでこんな事を……」


 俺がそう言い終わる前に莉那ちゃんが口を挟んだ。


「その答えがさっきの愛海ちゃんへの相談に繋がるんです」


 何を言ったんだ愛海。ここにいない妹に心の中で呼びかける。


「はじめは普通に告白しようと考えていたんです。そしたら愛海ちゃんがそのまま告白したらお兄さんは私を異性として見てないから普通にフラれるって……」


「それは……」


 そうかもしれない。俺は莉那ちゃんを可愛がっていたがそれは妹の友達としてだ。異性として意識していたかといえば怪しい。いきなり告白されたとしても断っていた可能性は十分にある。


「だから愛海ちゃんの提案に乗ったんです。お兄さんを襲って既成事実を作ってしまおうって」


 愛海が発案者だったのかよ。あいつ親友になんてこと提案してるんだ。


「お兄さん責任感強いから既成事実作れば責任とってくれるって」


 確かに襲われたとしても莉那ちゃんと関係を持ってしまったら、男として責任を取らなくてはと思うかもしれない。


「でも無理矢理そんな事しても俺が莉那ちゃんをすぐに好きになるわけではないんだよ? そんなの辛いでしょ。今日の事は忘れるからお互いまた元の関係から少しずつ歩んでいかない?」


 先ほどの発言を聞く限り元から俺を襲うつもりではなく、愛海に唆されて犯行に至ったようだ。ならば情に訴えかければ考えを改めてくれるのではないだろうか。


「……です」


「なんて?」


 莉那ちゃんの声が小さくてしっかり聞き取れなかった。


「それじゃ遅いんです!」


 莉那ちゃんが珍しく声を荒げた。莉那ちゃんがここまで感情的になるのを見るのは久しぶりだ。


「何が遅いって言うんだ」


「だってお兄さん頭いいし優しいし顔も整ってるから女子の間で隠れてモテてるって愛海ちゃんが……」


 あいつなんてデマ流してんだ。そんなモテてるなら家族と莉那ちゃん以外からバレンタインデーにチョコ貰えてるわ。毎年、義理チョコすらなかったからね?


「それは愛海のでまかせだよ」


「嘘です! 頭いいのも優しいのもカッコいいのも私知ってます。このままの関係でいたらいつか名前も知らない素敵な女性にお兄さん取られちゃいます!」


 恋は盲目というのはどうやら真実らしい。頭いいと言っても成績貼りだすわけじゃないから皆知っているわけではないし、優しいのも莉那ちゃんにしているくらいいつでも皆に優しいってわけじゃない。顔は莉那ちゃん補正が大幅に入っている。莉那ちゃんが俺たち兄妹の顔を好きすぎるのだ。


「いや、俺そんなに競争率高くないよ? 焦らなくてもチャンス全然あるしなんなら俺よりいい男なんて星の数ほどいるよ?」


 そう俺が言うと莉那ちゃんはムスッとした顔になった。俺の発言がお気に召さなかったらしい。


「お兄さん本人でもお兄さんのこと悪く言うのは許せません。私にとって1番魅力的なのはいつでもお兄さんだけです」


 可愛い後輩にこんな事を言われて嬉しくない男はいないと思う。手足が拘束されていなければの話にはなるけど。


「ありがとう。俺の事想ってくれているのは分かったからそろそろ拘束解いてくれたりしないかな?」


「ダメです。お兄さんは私と今日ここで結ばれるんです」


 やっぱりダメか。莉那ちゃんの意思は固いようだ。心なしか莉那ちゃんの目がいつもより虚ろに見える。なんとかあと数回のうちに説得を成功させないとゲームオーバーになりかねない。




「あの莉那ちゃん、いきなりだけど俺にお願いしたい事とか無いかな? 今だったら俺が叶えられる範囲で叶えるよ」


 苦しい話題転換になったが仕方ない。現状を変えるには最低でもこの拘束をなんとかする必要がある。莉那ちゃんのお願いを叶える口実で自由にしてもらえれば後はどうにかなるはずだ。


「お願いですか? では早く1つになりましょ……」


「それ以外! 今はそれ以外でお願い!」


 すぐに服に手をかけるのは止めてほしい。俺の作戦が無に帰してしまう。


「なんでもいいんですか?」


「俺が出来ることなら……」


 沈黙が続く。悩んでいるみたいだ。それか願いを俺に話すことをためらっているのかもしれない。1分程したところで莉那ちゃんが再び口を開いた。


「そ、それなら抱きしめた後にキスをお願いしてもいいですか?」


 莉那ちゃんは顔を真っ赤にしている。ダークサイドに堕ちかけても莉那ちゃんの純粋さはまだ失われていなかったらしい。


「こんな状況でしちゃっていいの?」


「お兄さんの方からファーストキスしてくれるならなりふり構っていられません!」


「は、はい」


 そこまで食い気味に肯定されるとこちらとしてもちょっとびびる。というかファーストキスこんな状況でしちゃまずいだろ。ムードも何もあったものではない。まあキスする前に解放される予定なので本当にキスすることにはならないと思うけれど。


「じゃあ、手錠だけでも外してくれないかな? このままだと抱きしめられないから」


 本当は足を縛る縄も外してほしいがそこまで言うと不審がられる。手が自由になれば莉那ちゃんを俺の上から降ろすことができる。そこからは死に物狂いで這ってトイレまで行き、親が帰ってくるまでそこに立てこもる作戦だ。綺麗さの欠片もない作戦だが考えられるうちでこれが1番勝率が高い。それに想い人のそんな醜い姿を見れば幻滅して莉那ちゃんも新しい恋を見つけようとするだろう。


「分かりました。早速鍵を……」


 莉那ちゃんが手元のポーチから鍵を取り出したのと同時にベッドの隅に置いてあった莉那ちゃんのスマホが鳴った。莉那ちゃんが慌ててスマホを手に取る。


「もしもし愛海ちゃん。うん、今のところ順調だよ。これからね……」


 電話の相手は愛海のようだ。ちょうど部活の休憩時間になったのか。俺はこれまでの愛海が莉那ちゃんにしてきた悪魔的助言を思い出しその電話が1秒でも早く切れることを祈った。


「え? 分かった、気を付けるね。教えてくれてありがとう。部活頑張って私も頑張るから」


 そう言い終わると莉那ちゃんはスマホを切り再びベッドの隅に置いた。そして、俺を先ほどよりもハイライトが消えた目で凝視してきた。あ、なんか詰んだ気がする。


「お兄さんいきなり私のお願い聞いてくれるってどういう目的かと思ったんですけど、拘束から逃れるためだったんですね。魅力的な言葉すぎて深く考えていませんでしたけど愛海ちゃんが教えてくれました」


 我が妹めもう少しで脱出出来そうだったのに。俺の思考を読んでいたかのように完璧なタイミングで電話してくるなんて。


「とても残念ですけどお兄さんからのキスはお預けですね。でも大丈夫です、私からお兄さんに数えられないくらいキ、キスするつもりですから」


 ちょっとテンパっている。この状況になってもキスが恥ずかしいという認識はあるらしい。それよりも前にもっと恥ずかしがる部分があった気がしないでもないが。




 あれからどれくらい経っただろう。10分か20分かそれ以上か。本格的に打つ手がなくなってきた。一応、拘束されている状態でも本気で暴れれば莉那ちゃんを俺の上から動かすことは出来そうだが、莉那ちゃんが怪我をしかねない。それに睡眠薬の効き目が残っているせいか頭の働きが鈍くこのままでもいいのではないかとも思い始めている。


 莉那ちゃんは可愛い。これは贔屓目なしに見てもそう言えるだろう。他にも艶のある黒いロングヘアに、すらっと伸びた手足。性格は内向的な面もあるが真面目で優しい。今まで異性として意識していなかったことが馬鹿みたいに思うほど魅力的な少女だ。そんな女の子がいいと言っているのだからその誘いに乗ってもいいのではないか。


「さて、色々ありましたけどもう終わりにしましょう。いや、私たちの新しい関係を始めましょう」


 そう言うと莉那ちゃんの顔がどんどん近づいてくる。最後の足掻きで拘束された両手を前に突き出して動きを止めようとするが思ったより力が強く止められない。もう駄目だと思ったその時、手錠の鎖の一部が砕けた。


「え?」


 莉那ちゃんが驚いた表情をする。俺はその一瞬の隙を逃さず莉那ちゃんを抱きしめ空中で体を180度捻り、莉那ちゃんの体をベッドに押し付けた。そのまま莉那ちゃんに馬乗りになりちょうどさっきまでと体勢が逆転した。


「形勢逆転したね莉那ちゃん」


 完全に偶然の賜物だったが如何にも計算していたかのような風に言ってみた。男はカッコつけたくなる生き物なので仕方ない。


「どうして……。愛海ちゃんが頑丈な物買ったって言ってたのに」


 手錠も愛海が用意した物だったのか。だが、今回は愛海が不良品を渡してくれたおかげで自由に身になれたのだから妹様様だ。


「残念だったね。それでさっきまでの行いについて何かいう事無いかな?」


「煮るなり焼くなり好きにしてください!」


 武士か。ごめんなさいとかの言葉を期待したのだが本人的にはもう罰せられる想定らしい。


「分かった。じゃあ俺の好きにするけどいいよね?」


「はい!」


 今日1番勢いのある返事だった。その言葉を聞いた俺は覚悟を決めた。俺は莉那ちゃんに顔を寄せそしてその唇を奪った。すぐに重なっていたシルエットが元の位置に戻る。それは刹那の出来事だったが体感ではとても長く感じられた。


「ど、どうしてキシュ……」


 莉那ちゃんは気が動転して噛みまくっている。顔はトマトのように赤い。おそらく俺の顔もそうなっている事だろう。


「捕まりながら考えてたんだよ。俺、莉那ちゃんのことどう思ってるんだろうって。それで俺が他の人と付き合うかもって話をした時、逆に莉那ちゃんがそうなったらって考えた。嫌だった、誰とも知らない奴と莉那ちゃんが付き合うのを想像したくなかった」


 俺は自分で思っていたよりも独占欲が高い男だったらしい。これでは莉那ちゃんの事を言えないではないか。


「そ、それって……」


「俺、莉那ちゃんのこと好きみたいだ。俺と付き合ってくれませんか」


 俺の言いたいことは全て言い切った。後は返事を待つだけだ。沈黙の時間が流れる。その時間が続くほど不安な気持ちが溢れてくる。やがて莉那ちゃんは気持ちを固めたのか再び口を開いた。


「はい、私で良ければよろしくお願いします」


 声は涙声で掠れていたがしっかり聞き取ることが出来た。俺たち2人は顔を見合わせ笑った。こうして俺たちは出会いから長い時間を経てようやく恋人になったのだった。






「うん、そうなの。おめでとう。詳しくはまた夜に聞くから。じゃあね本当に良かったね」


 切れたスマホをしまう。そして誰にも見えない所で小さくガッツポーズをした。長かった、本当に長かった。莉那の兄への想いに気づいたのは小学生の頃。その時はまだ莉那自身もその恋を自覚していなかったけど私から見ればまる分かりだった。莉那が私に助けを求めてきたら協力しようとは思っていた。それが高校生になってからになるなんて思わなかったけれど。


 時が経てば兄も莉那のことを異性として見始めると思っていたのにいつまでたってもそんな様子見えないし。そのわりに莉那のこと特別だとは思ってるし。そんな兄に莉那は馬鹿正直に告白しようとするし。そのまま告白しても玉砕してギクシャクするのは目に見えていたのでその代わりに提案したのが今回の作戦だ。


 少々荒療治だったが、当初の計画では兄はこの一件で莉那を異性として意識し始め2人の関係が少しずつ変化していくはずだった。万が一間違いが起きないように革手錠に細工もした。兄は私と莉那に甘いから謝れば許してくれると思っていた。計算外だったのは兄が自分の恋心に当日に気づき告白したことだ。ヘタレで鈍い兄にそんな事が出来るとは思わなかった。


「ここまでお膳立てしてあげたんだから幸せにならないと許さないから」


 誰に言うでもない独り言を呟く。そして兄と親友のこれからの幸せを願い帰路に着くのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] >帰路に着くのだった 帰路に着いていいんすか 兄ちゃんにドチャクソお仕置きされるのではw
[一言] どうなることかと思いましたが、ハッピーエンドで良かったです!
2022/06/19 20:28 退会済み
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