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REHASH  作者: G-Ⅲ
89/185

予告

 森を走るモバーが見出した光明の正体はヤクダイが持つ紋章の輝き。

 これは運命なのだろう。

 か?

 いや、何かに縋りたい彼にとっては、ある種の運命(saga)と言える輝きだった、はずなのだが。

 この後、彼は運命の乱数(じらい)に翻弄され、命を落とすことになる。

 そして本人はそのことを知るはずもない。

 今はただ、単純に。

 光源へ向かう。

 その足どりはまるで吸い寄せられるようだった。

 後に彼は、当時の心情をそのように語っている。


 過去イチ。

 ヤクダイが感じた〇〇(ピー)の激しさ。それはまさに、下り最速、と言っても過言ではない。

 加えて、それに伴う解放感。それに引きずられるように低下する警戒心、が運悪くモバーの接近を許してしまう。

 彼の接近は四時の方向。

 気が付くことが出来れば、この状態でも対応が出来る距離まではあと少し。


 正直、驚いた。

 光を奪われた世界で見出した小さな光。

 一縷の望みを託した彼の目に現れたのは、輝く臀部。しかも近づくほどにその威力(かがやき)を増している。

 しかも彼女は無防備な状態を晒している。

 これは…。

 彼女の様子にモバーの心が疼いた。

 同時に彼の左手、正確に言えばその親指が自身の頬骨の辺りを軽く触る。

 朧閃輝

 右目から立ち昇るのは、例のカッコいいアレ。

 瞳から鬼火のように揺らめく輝火は彼にとって、今回初披露の技だった。

 だが今の状態では対象者(ヤクダイ)に対は何の反応も出来ないだろう。だって、見えてないんだから。

 その瞬間、彼は時計と逆回りにヤクダイの正面へと回り込もうと動いた。

 位置的にその方が速く彼女の正面に出られるからだ。


「  !」

 あっ!

 フォントでは表示できないほど小さな叫び。

 右目から流れ出た残光が左目に入ったことで、一瞬視力が奪われたのが原因だった。

 初めての技が及ぼす弊害が彼を襲う。

 しかし彼は諦めない。気をとしなおして時計回りに彼女の正面へ向かった。


 そして次回。

 彼らの運命はどうなってしまうのか?

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