師妹
「おまたせ♪」
軽い、なぜか弾む言葉と共にキュンですのポーズをとる彼。
ヤクダイの傍に現れたコゴトウに違和感を感じた彼女だったが、とりあえず味方の登場に、少し心の余裕ができる。
対するジャステイウスの部下たちの混乱は、依然収まる様子がない。彼らを標的に複数の暗器が飛び交っていたからだ。
圧倒的な強者の立場から弱者を制する術は心得ているジャステイウスの部下たちだったが、その範疇を超えた事態に対応する術は学んでいない。そんな彼らは身を寄せあい、ただひたすら彼の指示を待った。
気が付けばいつの間にかジパムの姿が傍にあった。
油断したつもりはないが、今の自分では…。
安堵と共に複雑な気持ちが湧き上がる。
それは、窮地を救ってくれたコゴトウのイタい言動も許容しなければならないのか?
と言った事ではなく自分自身と彼らの力の差をに関することだった。
複雑な心境の彼女の視界が捉えたのは三人の中で最強の人物であろうクフェナだ。
彼女は先ほどの混乱を招く為に使った暗器を回収していく。一つ、また一つと回収しては埃を払い、口に入れていった。
食べ物を粗末にしない姿勢は称賛に値するだろう。
そんな彼女が新たな物体を拾い上げたのだが、その手が突如として止まる。同時に、周囲では身動きできずに見守る周囲の視線に緊張が走った。
ほんの数秒。いや、実際はもっと少なかったかもしれない時間が流れ、彼女はつまんだモノをゆっくりと地面に置くと、さりげなく服のスソで手を拭う。
この瞬間、彼女らによって支配されていた空間が壊れた。
「…ゃ、やぁ、師妹…」
クフェナの顔色を窺いつつ絞り出したジャステイウスの言葉に格下ワードを発見した部下たちが増長を始める。
純度99・9999999999%
ジャステイウスの部下たち。トゥエルブナインと称されるクズ集団である彼らの瞳に蘇った輝きは、はたして誰の未来を照らすのだろう。




