抵抗
どうする?
敵に囲まれ、正面には手練れ。抵抗しても無駄なのは明らかだ。
ではどうするか?恐らく彼らの目的は自分の体を嬲る事だろう。高貴な家柄の、とか由緒正しい、などと言われていても、群れを離れれば所詮はその辺の山賊と変わりない。それは過去の経験からも明らかだ。
周囲の視線はまるで意識を持った触手のようにヤクダイの全身に纏わりつく。彼らの剝き出しの欲望が彼女の全身を視姦し、妄想がはち切れんばかりに膨らんでいくのが感じられる。
それが弾けたら、恐らく自分の命は無い。
どうする?
再びその言葉が脳裏を過る。
しかし結論は出ない。すると正面の男が周りの圧力に押されたように一歩前へと踏み出した。
ヤクダイはその動きに反応できない。これからであろう始まる狂気の宴が彼女の体の自由を奪う。気が付けば全身に鳥肌が立ち、異常なほどに汗をかいている。
ヤクダイは覚悟を決めた。
ジャステイウスはヤクダイの正面で彼女の変化を見ていたが、堪えきれず距離を縮めてしまう。
見た感じ、鳥肌の量は彼の好みの基準を満たししてきたようだが、汗の量と香りはまだ物足りない。あとは「味」だな。
もう少しプレッシャーを与えた方が良いかもしれない。
どいせなら一番良い状態で味わいたしな…。
そんなことを考えながら手の中に潜ませた香木をゆっくりと彼女に向け、軽く息を吹きかけると、もう彼女は抵抗する気力も残っていないのか、身動きもせず香りを吸い込んだ。
するとすぐに効果が表れ始める。
幻覚作用だが、精神が挫けたヤクダイには兵士たちの悪意が全身の穴から流れ込んでくるように感じる。精神という砦を失った脳はそれらを現実として受けとめ、肉体に影響を及ぼし始めた。
気持ち悪い。味を感じるほどの不快感が彼女を覆い、全身に寒気が襲う。
そして同時にこみ上げてくるある感覚があった。彼女は無意識に反応し、抑え込もうとするがその勢いは衰えない。この場面でこれは絶対許されない。その思いが彼女に意識を集中させる。
ここは気合と根性で乗り切るしかない、気力を振り絞ってみたが圧力は留まることを知らずに湧き上がるばかりだ。
「ほぅ…」
ただの娘ではなったようだ。香木の香りに侵されながら、なおも抵抗をしようとするとはな。
ヤクダイの体に生気が蘇ったのを感じたジャステイウスは喜びに震え、彼女を見守る。その目の前で強い意志と共に動かされ、彼女は自らの人中を押す。
何かの技か術でも出すつもりなのだろうか?
精神と脳が蝕まれた状態で効果があるとは思えないが、その術が通じなかった後の方がより一層、自分好みの女性を迎えられると信じて見守ることにした。




