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REHASH  作者: G-Ⅲ
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そう言われてしまえば

「油断があった、ということでしょうね」

 エストを見る二人の目に輝きが増えたように見えたのは、二人に対する噂のせいだったのかもしれない。

 彼らは他人の失敗を暴いて出世する。という踏み台方式によって組織内部での評価を上げ、同時に同僚達の評判も下げていった。

 エストの答えを待っている二人の耳は、小刻みに震えている。

「そう…かもしれません」

「かも?いま、かも?っておっしゃいましたか?え?本気ですか?おかしいでしょ!」

 補佐のソラソが間髪入れずに言い放ち、思わず腰を浮かせたが、カナンがそれをゆっくりと制止し

「わかります。その時の状況は恐らく相当緊迫していたんでしょう。それは、まあ、わかります」

 この辺りは直情的な反応をする補佐官のソラソとは違い、しっかりと対象者の意見を聞こう、という姿勢を見せるカナンの対応に立会人は感心する。

 しかし、エストの反応は少し違った。

 二人のやり取りを見て、表面上は懐柔されたように装っていたが、内心(ほんね)では

 こいつら、デキてると確信した。

「あ!すまないが、席を外してくれるかな」

 審問時に不適切な言動がなされないよう内密(オフレコ)で話したい時に出るのだが、立ち会人には今の段階でその言葉が出るのは理解できなかったが、おとなしく退出した。

 すると、扉が閉まるのと同時にソラソが

「あなたは思ったより聡明な方のようですね」

「私たちはそんな方を探していたんです」

 後を次いでカナンが言う。

 これは…?

 さっきは感覚的にデキてるとは感じていたが、今は?

 といっても、デキてると感じたのは実際、そういった関係の話ではない。

 職務に対しての出来上がり(テンプレ)のような感じがさっきは感じられたのだが、今は?

「…」

 答えを探しているエストの表情を見たソラソが少し笑いながら

「例えばその答えが正解だ!?って、誰が決めるんです?」


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