クっ!クククっ♪
世界を汚染する醜悪の膨張は止まらない。
溢れ出る劣臭は勢いを増し、店長は限界を感じていた。
…ここは一度。
しがらみに縛られ、事態を傍観する者たちを否定はしないが、かといってそれを責めることもできない。
個人的な判断だが、ここは一度撤退するしかないだろう。
後の事は?
いや、それはまた。
今はこの状況から離れる方法を考えよう。
出来ることなら被害がを抑えたいが、そんな余裕があるかな?
臭悪に対抗しながら離脱するタイミングを計っていると、ちょっとした違和感を覚えた。
ん?
弱まった、のか?
間に合うか?
ったく、そんな大事なことを急に言われたって。
内心では文句を言いながら、それでもルスデスは何とか現場にたどり着く。
のだが、異臭が漂い、人々が汚染されていく中で、彼女が見たのは一人の男性が抵抗する姿とそれを観察する複数の関係者の姿だった。
状況からして、宜しくない。
瞬時に判断した彼女は渾身の一撃を放つ。今ここでその技名を明かすことは出来ないが、彼女にとっ今の状況を打破するための手段だったことは間違いない。
その証拠に異臭の勢いが弱まっていく。
例えば長い間放置された水道管などは、蛇口を捻ったとしても最初にきれいな水が流れることは無い。
ということは?
眼窩から溢れ出た汚濁の後には?
今まで傍観していただけの組織が動き始める。
上司は言う。
「予定通りだ」
自信に満ちた彼の言葉に部下が思い浮かべたのは…。
ホントかよ?
という言葉と上司の笑みだった。




