なんという。
意外な人物を目の当たりにしたことで、リピンは自分が自分が少し焦っていたことを自覚する。
さっきまでの感覚だと、報告書を提出しても差し戻される可能性が高い。
自分でもなぜこんなことを考えるのかわからないが、異様な空間に身近な人物の存在を見つけた事が原因かもおしれないな。などと分析をして、無理やり自分を納得させる。
大丈夫、落ち着い事態の収拾に努めるんだ。そんな頻繁に異常事態が起こるはずがない。
心拍数を整え、改めて元ご近所でなじみの店の店主を見るのだが、彼の目には新たな異常事態がくっきりと映し出されていた。
おかしい、これは…。
新たな手段として䰠を現世に召喚するのが今回の遠征の目的だったはずだが、現れたのは似ても似つかぬまがい物だった。そうなってくると店長としてはこの事態を見過ごすわけにはいかない。
ところが、だ。
この場所には各国機関の面々が、それぞれ自分の立場がより良く立ち回れるように観察、牽制しあっている。
彼らは皆、自分たちにとってどれだけメリットがあるか?という意識に支配されていて、その思想は禁止薬物に心を蝕まれるのに似て、加速的に蝕まれていく。ついでに周囲を巻き込んで。
そんな傍観者の前で自分の全てを晒すのは自殺行為だろう。
だからいまから行う対抗策、これは手抜きじゃない。それはここに明記しておく。
余力を残して?常に全力?
そんな方は「常に全力」「デメリット」で検索。
まぁ、それはさておき、この状況をどうする?
という事なんだが、とりあえず。
専門外だが知識はある。そんな感じを試してみることにする。
この非常時に暢気な観客の鋭い視線を浴びつつ、六章空壁を放った。
こんな感じかな?




