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REHASH  作者: G-Ⅲ
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限界

 たった一人。

 この作戦に参加していないだけでこの有様だ。

 ジェロノ軍を包囲し、殲滅する。たったそれでけの簡単な任務だったはずなのに、なぜ?

 原因は、ただ一つ。

 情報の伝わり方だろう。セラーゼ推奨、いや、お墨付きだったか?

 もしかしたら秘蔵っ子、だったかもしれない噂の彼。もし不在の間に作戦が成功すれば、後にどんな災いが降りかかるとも限らない。現場(我々)jにとって最も重要なことは、作戦の成功ではなく「どれだけ上官の要望を実現できるか?」なのだ。

 ただし、そんな状況でも期限は区切られている。

「もう、待てないな」

 内情を知る側近だけに呟くと、新たな命令を下す。


「敵が!敵が全面攻勢に出ました!」

 このままでは…。

 だが、これに対する側近たちの反応はあまりにも薄く、既に諦めたような雰囲気が漂っていた。

 こんな時になって、ようやく覚悟を決めのか、ジェロノが

「少し、少し一人にしてくれないか」

 そう呟いた。

 周囲の反応は?

 失笑、もしくはそれに類似する反応が多い。

 何を今更?

 といった感じで彼らはその場を去ってゆく。

 誰もいない。一人残された彼は何故か小さくため息をつき、迷うことなく左手の人差し指を右目へと突っ込んだ。

 人差し指は深く眼球の裏側まで届きいた。そこで彼は強く爪を立てる。と思い切り白目を引きはがした。

 当然激しい痛みが襲う。視力を失うほどの光がおこり、声も出せずに悶絶する。その時、瞳から何かが剥がれ落た。

 俗に虹彩と呼ばれるそれは、白目という外皮を失い、その効力が弱まったのだろう。

 声もなく悶えるジェロノの右目に新たな変化が始まっていく。抑制を失った彼の黒目は透明な眼球を侵食していく。

 滲むように広がる黒点が徐々に全体を支配し、瞳はやがて漆黒へと染まる。

 やがて…。

 苦痛を乗り越えゆっくりと瞼を開くと、自覚は無いようだが、何故かその口元には自虐的な笑みが浮かんでいた。

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