他責
無能共が雁首揃えて俺を窮地に追い詰める。
周囲が包囲されてます、どうしましょう?
住人が次々に魔物になっていきます増援をお願いします?
そうすれば?何をしたら?指示を?解決策を?
軍を統率する将軍たちの言葉がジェロノを包む。彼に放たれた言葉は幾重にも重複し、心の余裕は既に超えていた。
これが政治なら民衆に増税や労働を強いれば簡単に解決する話だが、今回は転嫁できる相手が見つからない。
「いやぁ、こうなったのも結局お前らのせいじゃん。俺はみんなの意見聞いたよ?でも、反対したのあいつだけだったじゃん」
重臣の視線を浴びながら、思っていた事をぶちまけられたら…。
終わる。
それを口にすれば、それまで味方だった者たちが自分の首を狙う刺客となるだろう。
葛藤の中で無意識に鼻をすすると、これが皆の注意を一層引き付けた。そんな彼らの視線を浴びて無理に笑顔を作ろうとした表情はかなり強張っていた。
「とりあえず」
成果が実感できないのはモチベーションの低下につながるのかもな。
ジェロノ軍を包囲してサクっと拘束。
計画通りなら終わってた。
それがなんで?与えられた仕事をこなさない奴のせいで予定より被害が出ている。
でも、被害の原因が中央の推薦した人物の遅刻だ、とは言えない。
じゃあもう仕方ない。腹をくくった彼が動いた。
チョイチョイ。
軽く手招きをして側近に手招きをし、何やら耳打ちをする。
ただ、その表情はあまり良いとは言えなかった。




