続報
越境し、窮地に立たされたジェロノのの情報は、随時各所に届けられる。
ただその中に含まれる重要な情報も、大多数の人々にとっては平凡な日常に彩りを添えるパセリ的な感覚だっただろう。
「順調とは言い難いです。しかしそれは…」
軽く手を上げ、それ以上の言い訳を制止するコゾロナが考えていたのは、そんな言い訳がセラーゼに通用するか?といった所だ。
報告者を下がらせ、改めて考えてみるが、そんなことをまじめに考えている自分自身に対して失笑に似た笑みを浮かべてしまう。
人員不足による遅延?
「セラーゼ様がお呼びです」
迷走する思考の途中での呼びかけに思わずきつい視線を向け
「そう」
と言って立ち上がる。
結局、これといった案も浮かばないまま入室迎えた彼女は、入れ違いになったデルムの表情に気が付かない。
退出したデルムは戸惑っていた。
そのせいでだろう、コゾロナの陰鬱とした表情に反応できるほどの余裕はなく、自分の考えへと没入していく。
この時、彼の思考を埋めていたのは、宬掌館という彼ら祖先の伝説とは異なる存在。
いわゆる流言蜚語と思われていたものが現実に干渉を始めたという噂についてだ。
聞いた本人も変な話だと思ってはいた。
けれどそれがただの噂だと一蹴できないのは、ソラロンタス遠征に関わる噂が国内外で広がっている事に関して、まだ公表していない事実さえも広まっている事に危険を感じていた。
さらに彼を驚かせたのは、彼すらも知りえない情報が既に噂となって世間を飛び交い、この情報の確実さを先程の面談で知らさえた時は、流石に少し恐怖を感じた。
その情報の一つが
「神を蝕む」
成人した者たちではなく、幼児から少年にかけてのごっこ遊びにこんな言葉が使われ出している。
いつの頃からだろうそんな噂が広まり始めたのは?
でもまてよ?そういえばこの手の話、老公に聞いたような?気がするかもしれない。
まずはそこから…。




