チューブ・ライディング とは
「よう、兄ちゃんたち」
緩んだ笑顔でこちらに近づいてくるリーダーの後ろで残った四人が周囲に合図を送っているのがわかった。
この合図でジコンの目で確認できただけで十四、五人。たった二人の旅行者に御大層なことだな。
などとを考えていると、周囲のスタッフからさらに十人以上が集結中だとサインが送られてきた。
なるほど。
「ちょぉっとまずいよぉ、この辺はさぁ、誰の縄張りか知ってるぅ?」
明るく高い声は、彼の気分の高揚の表れか、もしくは禁止薬物をやっているのかもしれない。
とはいえ、彼もいつの日か更生してこの国を支える日が来るだろう。そんな彼に今
「知ってますよ、っていうか直属の部下です」
なんて答えられたらどんなに簡単だろう?
「オィっ!ナニ笑ってんだァァんっ!」
ほんの一瞬、思いを共有し、和んだ二人の反応に即座に反応して大声を上げるリーダーの姿は、被食者
として金賞クラスの反応を見せた。
不安や困惑、今までに見てきた観光客と違う反応を見せる二人に若干の苛立ちを覚えながら彼が待っていたは完全包囲。
それさえ完成すれば、このナメた態度の二人に思い知らせてやる。オレの怖さを見せてやる。オレの強さを見せつけてやる。絶対後悔させてやる。包囲網さえ完成すれば!
三人の間に微妙な沈黙が流れていた。
ジコン達はとりあえず、相手の出方を見る感じで進めていくが、大波側が思ったより段取りが悪く、人数を集めるのに時間がかかっているのが原因だ。
それには偶然、別の場所で起こっていたトラブルが原因なのだが、彼らがそれを知ることは無かった。




