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REHASH  作者: G-Ⅲ
49/186

U~Mぅ

 とある宿屋。

 偶然出会った老人に武勇伝(泣き言)を語っていたのは、真実を失った男ナウゼだった。

 出会ったばかりの老人に勧められるまま、酒杯を重ね、自分自身を赤裸々に語った彼がこう問いかけた。

「好きなことで生きていく、って大変ですよね?」

 何度目だろう?

 酔っている本人だけではなく、聞いている老人でさえ覚えていない。

 それでもまた、彼の物語は繰り返されていた。


 俺はただ、勇者になりたかっただけなんですよ。

 この一言が、彼の物語の序章となる。

 幼いころから勇者に憧れ、勇者(それ)を目標に生きてきた彼は幼少期に、同じ志を持つ仲間に出会うことができた。

 しかし彼を取り巻く家庭環境や世情が彼の夢を阻み、多くの挫折を味わうこのになる。

 そんな時、ある出会いが彼に再び希望を持たせるのだが、全財産を投資し、なおかつママの貯金までつぎ込んだ店が、ある日何の前触れもなく閉店していた。

 マジか?

 苦悩するナウゼに追い打ちをかけるような出来事が続く。

 旧友たちとの別れだ。

「そろそろ私たちの事ちゃんと考えてほしい…。って彼女が言うんだよね、だからもう、ごっこ遊びは…」

「俺は…、ほら、親の後を次いでそろそろ()()()()しようかなぁ、なんてな、ははっ…」


 どんな困難があろうとも。

 彼らの言葉を聞くまでは、寸前までそう思っていた。

 思ってたんだ。


 語っていた後勢いよく杯を開けたナウゼは言う。

「わかんないとは思います、ケドね!好きなことで生きていく。って、ツラぃです!」

 混じりっけなしの本音だろう。

 だが、それでは終わらない。さらに続けて彼は言う。

「好きなことで生きていく、って大変ですよね?」

 そしてまた、勇者になりたかった男の物語が始まるのだ。

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