表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REHASH  作者: G-Ⅲ
29/186

彼の望み

 部隊を襲った集団は、ただの盗賊ではなくジェロノの部隊を狙い、襲ってきた戦闘集団だ。

 この時点で領地の治安は関係なく、自分にはなんの責任もない。

 それどころか、こんな所まで呼び出されて迷惑をしている等々、散々嫌味を言われてしまう。

 予定ではアガメイに責任を取らせ、食料の調達をするというジェロノの思惑はだったが、領主を呼び出して無能ぶりを披露しただけに終わる。

 アガメイが陣を去ると、ジェロノはかわりにグチンを呼ぶように言い、残った他の者には指示を出して退出を命じた。


 程なくしてグチンが現れた。彼は今回の遠征に際し、ジェロノをサポートする為に派遣されているキビ財閥の商人だ。

「お呼びでしょうか?」

 食料を奪われ、王都に泣きつくこともできず、領主にもあしらわれた事は既に聞き及んでいた。

 恐らく彼の望みは食料の調達だろう。その件なら部隊襲撃の報告が入った時点で領主に話を通してある。

 幕舎に入る前に聞いた話では、ジェロノの領主に対する態度が概ね予想通りだったようで、彼らが直接取引をすることは無さそうだ。

 そうなると、あとは幾ら引き出せるか?

 打算を弾く脳内の指先が激しく動き出す。どのらいの量を用意しよう?こちらから聞くべきか?いや、がっついているように見えるのもまずいな。

 とりあえずは聞いてからだな。さぁ!言いなさい!

 グチンの熱い眼差しがジェロノの唇を見つめると、それはゆっくりと開き、声を発する。

 両耳は既に迎え入れる準備を整えており、発せられた言葉を包み込むように脳に伝えた。

鏡演者(ミラーキャスト)を出してもらおう」

「はい、はい、もちろんですぅ…う?」

 思わぬ要求に表情が揺れる。

 彼の求めているのは食糧でなく、戦力だと?

 しかも鏡演者(ミラーキャスト)といえば、財閥の中でも上位に入る戦闘力が売りの部隊だ。

 戸惑うグチンの心を見透かしたようにジェロノが続けた。

「食糧の手配は先程終わったところだ。ただ、盗賊が領民に被害を及ぼすのではないかと心配でな」

 領主とも話し合った結果、賊を討伐することに決まったのだという。

 しかし残念だが軍はペリニシア派兵のために預かったもので、野盗ごときを相手に戦うことは出来ない。

 かと言って自分直属の卦猿隊(かいえんたい)は別件に関わっていて、今回は随行していない。

 やむなくグチンに声をかけたというのがジェロノの言い分だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ