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ジェロノに呼び出されたアガメイは明らかに不満そうだった。
彼の祖先は、この国が始まるずっと以前からこの土地を護っていて、建国に先立つ戦いが行われた時にもそれなりの尽力をしている。という文献が残っていた。
それによれば、当時まったく無名の青年が鬼神を討伐する有志を募っていた、とある。
この青年が祖先のもとを訪れて協力を求めた。
祖先は彼に対して何かしら力になろうと資金や食料の提案をしたようだが、彼の望みは屈強な戦士だと言われ兵力を欲しがった。
鬼神を倒すことで平穏が得られる。そのために祖先の力が必要だ。
彼の言っていることは、鬼神に苦しめられている人々のことを思えば拒否する理由がない。
ただし。
アガメイが、いや、彼の直系がその歴史を学ぶときに最も重要とされているのがこの時の判断だ。
鬼神がいなくなった後、被害を受けた我々の戦力で領民たちを守れるのか?
今は鬼神の存在が領土同士の争いを防ぐ抑止力となっている。しかしこれが無くなると、再び領土同士の争いが繰り返されるのではないか?
当時の領主はそう考え、一族のほぼ全員がその意見に賛同した。というより本家の意見には逆らえなかったと言ったほうが良いかもしれない。
こうして青年の要請に対しては、一族のなかで役立たずといわれていたソレアの先祖が、厄介払いも兼ねて鬼神討伐に送り出された。
ところがこの抜擢?に感動したのか、彼らは予想に反した活躍で鬼神を降してしまう。
その結果、かつて本家だったアガメイが現在では、ジェロノのような木端に呼びつけられるほど格が落ちてしまう。
それでもこの呼び出しに応じたのは、兵糧を奪われたジェロノの顔をみてやろうと思ったからだった。
「貴様の所の治安はどうなってるんだ!?」
顔を見るなりがなり立てるジェロノにアガメイは冷静に答える。
「奴らはEXクラメーションズでございます」
どんな言い訳でもねじ伏せてやろうと意気込むジェロノの顔が強張った。
「なっ…!」
「いいえ、!!、でございます」
どこの所属かは不明だが、部隊としての通称は有名な存在で、巷では公然の秘密部隊として、各国の様々な場所に出没している。
そんな彼らがペリニシアの四団体やはじまりの村をも凌駕する、と言われていたのはジェロノでも知っていた。
「だ、だからと言って驚いてばかりもいられんのだ」




