問題
ジェロノが出兵してから四日が過ぎ、ペリニシアとの国境まではあと半分ほどの距離、といった所で問題が起こった。
食料の供給が途絶えてしまったのだ。
本陣には幕僚たちが集まり、この事実に困惑している。
いままでのペリニシア遠征で、こんなことは一度もなかったからだ。
「たかが盗賊ごときに何をやっている!」
ジェロノは苛立ちを隠そうともせず、補給部隊長であるノッピドを責めている。
彼は幕僚たちの前で罵倒され、これ以上ないほど申し訳無さそうな顔をして見せるが、許してはもらえなかった。
「で!?」
どうするつもりだ?と執拗に追い詰められたノッピドは、盗賊からの食料奪還を提案する。
しかし、居場所もわからない相手を探している余裕は無いと、即座に却下されてしまう。
仕方なく、王都へ救援物資の要請を口にするが、これにはジェロノが激昂した。
プライドの高い彼は、食料を奪われて助けを求めるなど出来なかった。
なぜうまく行かない?湧き上がる怒りは収まらず、ノッピドに罵詈雑言を浴びせ続けていく。
「どうすれば良いか教えてやろう」
ようやくストレスが発散されたのか、椅子に深く座り直すと現地調達を指示した。
驚いた幕僚達が、一斉に彼を諌める。
今回の出征は、例年と変わらない訓練のようなものだ。
それなのに守るべき民からの略奪し、飢えさせるなど出来るはずがない。
多くの反対を受けても釈然としないジェロノは
「では、領主を呼べ。領内の治安を守れない責任を取らせる」
そう言って奥へと引っ込んでしまう。
残された者たちも、一人、また一人と自分の陣に戻っていった。




