思わぬ候補者
彼の名はレミエル。
意図せず候補者になった者。
ここ数日、彼には気がかりなことがあった。それは今回の一連の騒動、つまり自分が参加するはずだった計画に遅れたことが原因となっているのではないか?
と、他の関係者に思われることだ。冗談じゃない、計画の成功や失敗は無能の上司の落ち度に過ぎない。万が一、自分が遅れることで計画が失敗したのなら、そんな自分を軽んじた上司たちにとっては良い薬になっただろう。
ところがそうも言っていられない。というのも、彼らは必ず責任追及するからだ。
なぜ?なぜ?なぜ?
理不尽な呪文が部下の心を疲弊させる。追い詰められた者たちは自分を守るために、自分より弱い者を差し出す。
今回の事件、どうやら自分がその標的になりそうだ。
いや…。
このままでは終われない。
俺がここで終われば過去、今まで俺の踏み台になった奴らに申し訳がない。せめて彼らには、自分はレミエル様の礎になったのだと思ってもらいたい。
その為には、どんな手段でもとる覚悟だ。無理のない範囲で…。
で。
いま、ここでチャンスが訪れる。居酒屋で姿を見かけてから数日。彼の、彼らの様子を伺った成果が実を結ぶ時が来た。
何気ない様子でザレル一行に近づくレミエルがまず一言
「どうなさいました?何かあったのですか?」
聖装した彼にザレルが答える。




