夜の行方
その夜、この領地で巨悪と通じている。そんな噂のある武官の家に招待されたザレル一行に危機が迫る瞬間が訪れた。
そこに女中がお茶を持って入室した。見た事のある顔だ。気が付いたザレルが彼女に声をかける。
「お嬢さん、あなた、確か…」
某事件に関わっていた男と親密な関係にある女性、まさかこんな所で出会うとは思いもよらない展開だ。ザレルの言葉に少し戸惑いを見せ、顔を伏せる女中に再び声をかける。
そして最後に
「ところでお嬢さん、あの男性とはどんな関係で?」
と、問いただす。
するとこの言葉を待っていたように訪問者が現れた。
訪問者はノックのかわりに天井を蹴破って侵入する。彼らの目的は秘密を知ってしまったザレル一行の命だ。賊は次々に天井裏から侵入してくる。かなり不自然だが、それ以外の場所からの描写がないので、恐らくは全ての賊が天井裏から侵入したのだろう。
身の危険を感じた女中が扉から外へと逃げだすと、それに続くようにザレル達も中庭へと飛び出した。事情を知っているであろう謎の女中を確保しなければならない。
夜が深さを増していく。
奸計によって権力を奪われた武官の屋敷に対策を練るザレル達のがあった。そこに…。
「お茶をお持ちしました」
女中が入室すると熱唱中のカラオケボックスに店員が入ってきた時のように、その場の雰囲気が一瞬だけ停滞する。
するとザレルが女中に何かを話しかけた。ナウゼには良く聞こえなかったが、彼女がうつむいたところを見ると我々の密会に対する口止めだったのかもしれない。
念を押すつもりなのか?ザレルが再び口を開く。
彼の言葉が終わると同時に扉が蹴破られ、続々と賊が侵入してくる。しかも覆面などで顔を隠そうともしない所から察するに、敵の目的は我々の命なのだろう。
どさくさに紛れて女中が扉から出ていくのが見えた。助けを呼びに行くつもりなのか?
後を追う賊と共にザレル一行も中庭へ躍り出る。
そこで激しい乱闘が始まった。




