余白
悪い魔王が人々を苦しめています。
恐怖に満ちた世界に追い打ちをかけるように、彼らの心は少しづつ壊れていきました。
感受性に富み、純粋だった者たちや、心の弱さを克服できなかった者たちは拠り所を求めて群れを成し、意志や思考を放棄していったのです。
誰かがの答えを自分の考えとして…。
その一方で、この事態を自分たちで何とかしなければならない。と考えた者たちもいました。
しかし彼らの思いは一つでも、そこに至る経緯に関してそれぞれの思惑があり、統一することは出来ません。
大衆の、全ての者が命を懸けて挑めば解決できないことは無い。こう主張する者たちがいる一方で、秀でた者たちによって導かれればいかなる困難も乗り越えられる。といった相対する意見が生まれていきます。
遅れてきた最後の一人がやってきた。
彼女より先に来てに座っていた者たちは、長く続いた議論に対して既に口を開くこともなく、互いに意に沿わない連中の顔を冷ややかに眺めているだけでした。沈黙が支配する室内で口を開いたのは、遅れてきた彼女だ、その言葉の中に悪びれたような気配ない。
「少しは進展があったようね」
見渡す彼女の視線の中には、相変わらず憮然とした表情を崩さない参加の姿があるが、幾人かの瞳に微かな期待の光が宿っているのを見逃さなかった。
ただ、彼女もここでその事を指摘するような無粋なことはしない。興味があればここに来れば良いだけの話。
思いを巡らせる参加者の表情を一通り眺めてから、彼女はゆっくりと席を立った。
部屋を出るためにゆっくりと取っ手に手をかけ、扉を開く。まるで誰かが声をかけるのを待っているかのように…。
しかし何も起こらないまま時間は過ぎていく。
そして、開きかけた扉の隙間から何かが聞こえた?ような気がする。いや、微かだが確かに聞こえた。そう、確かこんな風に。。
一方、そのころ…。
と。




