心、いつまでも…
雲間に見え隠れする影、その全貌が明らかになるのにさほど時間はかからなかった。
雲を沸き立たせながら悠然と滑空する姿が邪悪なものに感じられたのは、澱んだ雲のせいだろうか?それとも人間の本能なのだろうか?
彷徨う思考が交錯する世界が支配するこの場所で龍が動いた。
不思議とぎこちない動きになってしまったと感じたのは当社だけかもしれい。龍にしてもこの世界に現れたのがいつのことか思い出せないくらいなのだから。
ただ忘れられない事もある。
ここにきてすぐに感じたのは以前に感じた事のある鬼な感じ。自分がいない間に消えているのかと思っていたが、微かだが残っているようだ。
深い因縁が龍を刺激する。
敵を殲滅しなければならない。その思いが意識せずに力を放出した。リミッターをかけない力は発生した雲の下に生きる全ての生ける者たちに裁き雷を下す!
おや?
我が領域に存在する全ての生命に裁きの雷を下す!!
あれ?
効果があったのか?見た感じ、何も変わっていないように見えるのは気のせいなの?
不安に駆られた龍は地上に降りて確認しようと高度を下げた。だが、地上に近づくことが出来ない。空と地上の境目に阻まれてしまう。
これがブランクなのか?この世界を離れ、空底で過ごした間に力が衰えたのかもしれない。
気持ちはまだあの頃のままなのに力が衰えた?
このままではあいつ等に…。




