ご都合主義、一点突破。
ロジンの術、もしくは技、だったかな?
自賛鏡は、敵の視界の片隅に鏡を生む能力だった。
効果?
それは誰もが経験したことのあるコト。鏡やショーウインドウ、そのた諸々の反射素材に映った自分を思い浮かべてほしい。必ず一度は視線を送ったはずだ。しかもこの自賛鏡は仕様によって対象者の姿を盛るように変更されている。誰しもその呪縛から逃れることは出来ないはず、だった…。
少年から放出されたエネルギーは予想を超えた(弊社調べ)力だったのだろう。ロジンの意識が鏡よりも彼へと向かう。これを見たロジンが後に最悪の鏡と呼ばれるモノを開発したのだが、実戦で使われることは無かった。
何故って?
術者もろとも魅入られて相手隙を突くことが出来なかったから。
とりあえず余談はこの辺りにしておいて、続きを記そうと思う。
偶然。
こんな偶然ある?そう言われても仕方のない、悪意ある表現で言えば仕込みともとられかねないような現実が彼らに降りかかる。
少年の意思がエストの瞳に到達した瞬間、彼の視線は自賛鏡へと導かれた。熟練者の反応としては、危険度の高い順に警戒する。と言うことになるのだろう。
ここまでは本当に無理のない自然な流れで、誰が見ても揺るがないはず。ただ問題は、この後の展開にあった。
視線に宿った少年の思念は、放たれた目的と異なる対象に到達したが効果を発揮すことが出来ずにいた。しかしエストの視線の先に新たな可能性を見出したソレは瞬く間に自賛鏡へと到達する。自賛を取り繕うことに特化した鏡に内面の奥深くに潜む力が宿る。
鏡に亀裂が走った。




