『夏を彩る』
お祭りの間は
なんとなくせわしない
お店の座敷は
七月の初めに夏座敷にしつらえを変え
簾を吊ったり、
葦障子に替えて
さいごに
軒先にガラスの風鈴をつるす
チリ…リリ………リン♪
と、風に舞わされて短冊がゆれて
かろやかな夏の音が
炎天下で 客引きをしている
店のもんにも
一瞬の涼をそそぐ
カンカン照りのお日さんも
すこーし遠慮して
雲にかくれる
チリ…リリ………リン♪
お店には
盆休みの家族連れ
どの顔も浴衣姿で笑ってる。
赤いいちごのかき氷が
少女の舌を紅色に染めて、
チリ…リリ………リン♪
チリ…リリ………リン♪
コンチキチーン♪
コンチキチン♪
コンチキチーン♪と山車が来て
お客さんも
店のもんも
亭主も
女将も
あわてて駆け出す
うしろから
風が舞う♪
チリ…リリ………リーン♪
コンチキチーン♪
チリ…リリ………リーン♪
コンチキチーン♪
チリ…リリ………リン♪
チリリリ………リーン♪
祭りの喧騒を離れて見てる 女の子。