8話 身体測定はパンツ一丁
「今日は身体測定です」
きったぁぁああああ! 身体測定!
「男の子と女の子は別々なので、先に男の子の方から行ってください。服は保健室の前の教室で脱いでくださいね」
だ、男女別だと!?
小学四年生で、男女別なの? そりゃないって……。そりゃないよ……。
がっくり……。
落ち込んだまま、男達と共に、身体測定へと向かう。はぁ……。
保健室の前まで来ると、言われた通り隣の教室で服を脱ぐことになった。身体測定は、パンツ一枚でやるらしい。
男達は、ワイワイ言いながら服を脱いでいく。
こんな男共じゃなくて、女の子がパンツ一枚だったら最高だったのになぁ。
「脱ぎ終わったら、保健室に番号順な」
いかにも体育会系って感じの教師が、そう告げた。
脱ぎ終わったので、隣の保健室へと歩く。
中には、保健の先生と思しき白衣を着た女の若い先生と、いかにも変態そうな男が二人。
な、なんだこのおっさん!?
「はい、では四列に並んでください」
おっさんの合図の元、並ばされていく。
こいつ、今回の身体測定の進行役の先生か?
断言しよう。この男二人はロリコンである。きっと、女子の身体測定が見たいがため、自ら進行役を名乗り出たのだ。
くそっ! こいつらはこの後ロリっ娘の裸を見放題だってのかよ!! 許せねえ。
男二人は、男の裸には当然全く興味など無く、適当にやっていた。
俺は苗字が「お」で始まるので、検査は割とすぐに終わり、保健室を出た。
隣の教室に移動し、さっさと服を着る。
服を着ると、教室へと戻った。教室内では先生が見張りでいるため、女子達は静かに自習をしていた。
しばらくして、俺の後の男子も続々と戻ってきて、やがて女子の番となった。
「女の子も、服は保健室の隣の教室で脱いでくださいね」
やはり女子も脱ぐのか! うわああ見てえええ!!
先生の言葉を聞き終わった後、女子達は教室を出て行った。
さて。
俺がこのまま終わると思うか?
答えは否だ。
もちろん、覗きに行かせてもらう!!
「せ、せんせぇ。お腹痛いから、トイレ行ってきます」
もちろんお腹など痛くは無い。これは教室を出るための嘘。
「大丈夫?」
俺の思惑など全く知らず、心配そうに先生は聞いてくる。
その顔を見ると、嘘をついたことの罪悪感が少し湧くが、ここで動かなきゃ男じゃないんだ!!
「大丈夫です」
そう一言残し、俺は教室を出た。
さて、目指すは隣の教室だ!!!
やることは簡単。隠れて女子が戻ってくるのを待つ、それだけ。
案外簡単に、保健室の隣の教室に入ることができた。
中には、綺麗に畳まれた女子が着ていた服が大量にあった。それらにもとても心惹かれるが、今回はスルーだ。
どこに隠れよう。
掃除ロッカーに隠れようと思っていたのだが、ここには掃除ロッカーは無かった。くそっ! 着替えに来た時にもっときちんと確認しておけばよかった。
さて、どこにする? どうする?
やばい、そんなに悩んでいる時間は残されていないぞ! とにかく早く隠れないと!
だが、もう間に合わなかった。隠れる場所を必死で探していた俺の背後で。
ゆっくりとドアが開き。
一番最初に戻ってきた女の子に、見つかってしまった。