5話 幼女の手作り料理
「スジがねえ! ち、乳首も……」
思わず悟空が初めて女性器を見たような反応をしてしまった。
「こういうことだ。分かったか」
「なんだよ、それ……」
ロリーヌの体には、ロリっ娘特有のぷっくりとしたピンクの乳首も、見る者全てを魅了するあの一本筋も存在していなかった。
「私の体にはエッチな部分が無いのだ。だから、エッチなことも当然できない」
「ちっくしょぉぉおおおお!!」
悔しい。
これからずっと一緒に暮らしていくのに、エッチ出来ないなんて……。
「というわけだから、お主はクラスの女と頑張れよ」
かなりショックだ。
だが、このまま引き下がるわけにはいかない! 俺は簡単に諦める男じゃないんだ!!
「うぉぉおおおおおおおお!!」
俺は、どこからか油性ペンを持ち出し、本来スジがあるとことろに一本の線を引いた。
「な、なにをする!!」
「いや、それっぽくなるかなあって。でも、ダメだ。全然それっぽくなってない……」
やはり、女性器はそんな簡単に代用できるものでは無かったか。
「むぅ……。油性ペンで落書きとは……。なかなか落ちぬではないか」
ロリーヌはタオルでゴシゴシと擦っているが、油性の線は全く落ちそうにない。
というか、タオルでゴシゴシやってるとこ、すげえエロいな。俺にもやらせてよ。
「仕方がない。風呂でじっくり落とすとしよう。
「その風呂! 一緒に入ろうではないか!!」
たとえ乳首やスジが無くても、女の子と一緒にお風呂に入る、そのシチュエーションは素晴らしくエロい!
「別に構わぬが」
「よし!!」
なんかこいつ、恥じらいとか何にもないな。頼めばなんでもやってくれそう。むぅ、つくづくセックス出来ないのがもったいない。
「さて、では食事にするかの」
「お、待ってました!!」
今まで異性からの手作り料理なんて、母親からしか作って貰った事が無い。めっちゃ楽しみ!
「本日の料理は、これだ!」
ドン! と、ロリーヌはテーブルの上にけんちん汁を置いた。
けんちん汁を、置いた。
「なんで!!」
なんでけんちん汁!?
「嫌いだったか?」
「いや、嫌いじゃないけどさ! 普通彼女の手作りといえば、肉じゃがとかそういうのだろ!」
「そもそも彼女では無いのだが」
「確かにそうだけど!」
「まあ食べてみるがよい。きっと美味しいぞ?」
ロリーヌに促され、けんちん汁に口を付けた。
こ、これは――
「家庭的な味だ」
決して、超美味しい! というわけではない。だが、優しくて、あったかい、そんな味。
「どうだ、気に入ったか?」
「ああ」
料理下手な女の子ってのも可愛いけど、普通に料理が出来る女の子ってやっぱり素晴らしい。
「おかわりはたくさんあるからの。いっぱい食べるがよい!」
「おうよ!!」
こんな可愛い子の手作り料理を食べている自分、幸せだなぁ。