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1話 幼女との出会い 異世界への転生

「幼女とセックスがしてぇええええええ!!」


 無職童貞で、本日の誕生日をもって30歳になった俺は、暗い夜道で魂を込めて叫んだ。


 もし警察に聞かれていたら、間違いなく職質されてしまういけない叫び。

 でも、事実なんだから仕方ないじゃない。幼女とセックスしたくない男なんていないね絶対。


「はぁ……。今の日本はなんて愚かなのだろう……」


 十八歳未満の女の子のエッチな画像や動画は、持っているだけで逮捕。

 十二歳未満の女の子とは、お互い同意の上であってもエッチをしたら豚箱行き。


「こんな法律、間違ってやがる」


 前田利家なんて十一歳の幼女と結婚して、翌年にはもう子供産んでるんだぞ?


 利家羨ましすぎるだろ!!

 利家になりたい!!


「はぁ……」


 現実は非情だ。何を考えたところで、幼女とセックスできないことには変わりない。


「帰ってたぬきそふとで抜こ……」


 結局、俺達ロリコンは二次元で慰めるしかない。もし二次元まで規制されたら、死んじゃうよマジで。


「ちょいと待ちなはれ、そこのあんた」


 !?


 こんな真っ暗な人通りの少ない場所で、めっちゃ幼女っぽい声が聞こえたんだが。何これ、死ぬ前の最後のご褒美? というか俺死ぬの?


「無視するでない! そこのお主、お前さんだ!」


 声がする方を見るとあら不思議、魔女っ子コスプレをした可愛らしい幼女さんがいました。神様ありがとう。


「おーい! 意識トリップしておるのではないか? おーい!」


 可愛いなぁ。声も可愛いし顔も可愛い。完璧っすね。


「いい加減気づけこのやろー!」


「グフッ!」


 突如、幼女の持っていた杖が俺の腹部にぶっ飛んできた。くっそ痛い、泣きそう。


「って、痛いってことは夢じゃないのか?」

 

 アニメや漫画で夢かどうかを確認する時のありがちな台詞を言って、俺は夢でないことに気づいた。


「夢なんかじゃない。現実だぞ」


「現実かー。現実!? なんで!?」


 なんで現実でこんな可愛い幼女に話しかけられたの? おじさんそんなに幼女が話しかけたくなる顔してるかな? 今までこんなこと無かったんだけど。


「お主、今日で三十歳だろう」


「え? 誕生日祝ってくれるの?」


 なんでこの子は俺の誕生日を知っているんだろう。とかはどうでも良かった。

 誕生日を祝ってもらえるの、人生初めてです。


「祝うというかなんというか。三十歳を迎えた童貞がなんと言われているか、お主は知っておるか?」


「魔法使いになる、だろ? それがどうしたんだよ」


 そんなことどうでもいい! 俺の誕生日記念に処女を差し上げろ!


「うぬ。しかし実は、正しくは『魔法使いのなるに魔法をかけられる』なんだ」


「どゆこと?」


 小っちゃい子だから、まだ上手く日本語が使えないのかな?


「この世には、『ナル』と呼ばれる魔法使いがおってな。私もその一人なんだ。ナルは三十歳を迎えた童貞の前に現れて、魔法をかけるんだ」


「君が、俺に魔法をかけてくれるの?」


 それって、恋の魔法かな? それならもうかかっちゃったよ!


「お主、童貞を捨てたいのだろう?」


「もちのろんです!」


「しかし、お主は三十年も生きて童貞を捨てることができなかった。そこで、私がお主に再びチャンスを授ける。異世界に十歳で転生し、もう一度人生をやり直すんだ!」


「えーと……」


 この子、電波ちゃんなのかな? ま、可愛いからオールオッケー!


「では、今から魔法をかけるぞ。ドーテイドーテイステレール!」


 女の子が不思議な言葉を言った直後、俺の周りを白い光が包んだ。


「なにこの光!? え、もしかして異世界に行くってマジなの!? いや、無理なんだけど! 俺日本人大好きで、異世界の女なんかとヤりたくないんだけど!」


「安心するがよい。異世界といってもこことそう変わらんよ。異世界が必ずしもファンタジー世界とは限らないんだ。君が転生する先は、ぶっちゃけこことほとんど同じさ」


「いや、そんなこと言われても! って、なんか体がもう消えかかってるんだけど! え、ちょ、あ……」


 ニコッと笑顔になった女の子を見たのを最後に、俺の意識は途絶えた。

ロリコンに栄光あれ!!

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