第2話
夕食の時間になりやはりいつものようなやり取りを横目で見ながら何故こんな事になったのかを考え過去を振り返ってみた。
シェイラの住む世界は魔王により大地は荒れ果て人々は疲労していた。
シェイラも神官の仕事としてある村を訪れていた。その村は魔物に襲われまたいつ襲われるかわからない生活をしていた。なのである騎士団の一隊と共に同じ神官仲間であるルーラと共に魔物退治&慰霊に来ていた。
「こんな貧しい村にまで来て頂き有難うございます。」
と村の長老が頭を下げながら言った。
「そんな・・・・当たり前ではないですか・・・。神の前では人は平等です。同じ国の人同士助け合うのは当たり前です。すべては神のご加護です。」
と笑顔で言った。
「おお・・・・・有難うございます。シリア様に感謝を・・・・」
と祈った。
シリア様と言うのはこの世界を産み出したとされる光の女神のことで私達が仕える主神でもある。
だがたしかに長老が言ったように普段はこの国の辺境にまでは騎士団は来ない。国のお偉い様方は騎士団には自分たちの領地や首都しか護らせないのだから。
だが今日は私達もルーラもこの変わり者の騎士団も首都にはいたくない理由があった。
そうして話をしていく内に今日はもう遅いので魔物退治は明日になった。
そして宿につき私とルーラそして部屋を訪れてきた団長のスールと副団長のアルトがいた。
「何が助け合うのは当たり前だ・・・嘘くさい笑顔までだしやがって。鳥肌がたった。」
と腕を擦りながらスールが半眼で見つめてきた。スールは黒髪の緑眼で逞しい体躯に団長の証の鎧をきていた。大雑把な性格で男らしい顔立ちをしていた。
「しょうがないよ~~シェイラは一応神官だもの~~鳥肌たったのは騎士団員全員立ったと思うよ。」
と笑顔で言ってきたのがアルトだ。アルトは金髪碧眼で言ってしまえばチャラかった。だが剣の腕は折り紙付で剣の腕ならスールより上だ。こちらも結構引き締まった身体で副団長の証の鎧を着ていた。
「でも、素のシェイラを知っていたらそう思うのは無理ないね。」
とこちらに流し目で見てくる妖艶美女がルーラだ。黒髪紫眼でナイスバディだ。何故神官になったのかわからない性格をしている。
「一応これでも真面目に仕事をしているだけよ。それともあんた達は来たくなかったの?」
と尋ねると、
「まさか、今日は絶対に王都には居たくなっかたさ。」
「そうそう、面倒くさい儀式に参加なんて嫌だもん。」
「あんた達はまだいいじゃない。私達神官は危うく強制参加だったのよ。それでシェイラが機転を利かして出なくて済んだんだから。まったく勇者召喚なんて面倒すぎよ。」
そう今日は勇者召喚の日だったがそんな面倒な儀式に参加は嫌だったのでどうしようか困っていた所に
この村の嘆願書が目に入ったのだ。
「だがこの村の人たちがそんな理由でここに来たなんて知ったら驚きモンだよな~~」
と笑いながら言った。
「まあ、勇者召喚の儀はこの国・・・いやこの世界の唯一の救いでもあるもんね~~」
と同意した。
「でも私達からしたら面倒以外何者でもないわ。あれを倒されて百年も待ってたんですもの。」
と笑顔で言い放った。
「そうね。私は平気だけど貴方達にとっては神殿や聖魔法は嫌なものよね。」
と頷く。
「でもよくここに来れるようになったね~~特にシェイラは。」
とアルトが首を傾げながら言ってきた。
「あら、言ってなかったっけ?上層部の一人に私の眷属がいるのよ。それで・・・ね。」
と笑顔で言うと、周りが納得といった顔をした。




