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異世界の観測者 ~今度こそ、大切に生きていく~  作者: WE/9
選抜大会

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31/60

第二回戦 1

会場内の喧騒は初日よりも熱狂を帯びていた。空気には微かな砂埃の匂いが混じっている。それは遠く西の荒野から吹いてくる風の気配だった。

俺は抽選結果を握りしめ、巨大スクリーンに点滅する名前を見つめた。——「西荒の咆哮者ウェスト・ロアーズ」。

「獣人の戦士たちね?」アイリンは例のスタイリッシュな青の制服に着替え、手首を回しながら答える。指先には雷光が微かに見え隠れしていた。「彼らの身体能力は各族の中でも最強で、魔法に対しても天然の耐性を持っていると聞くわ」

良奈リナは俺の後ろに静かに立っていた。彼女は新しく買ったあの黒の繫ぎさげおを早速使っている。深みのある黒紐は、銀の刀鞘とうしょうと完璧に調和していた。

「獣人だけじゃないぞ」俺は対戦表の向こう側を指差し、表情を引き締めた。「あっちを見てみろ」

スクリーンの反対側では、龍之國りゅうのくにの第二グループが、圧倒的な力で相手を叩き潰していた。リーダーは紫の龍鱗りゅうりんを持つ、恐ろしく落ち着いた気配の龍人ドラゴニュートだ。この組の実力は、昨日俺たちが倒した連中よりも明らかに格上だ。

「つまり、この獣人たちに勝てば、次は再び龍之國と当たるってことだ」

俺は低く分析しながら、左眼を自動稼働させた。遠くにいる獣人選手たちの気配を捉える。

獣人の戦士たちは上半身を剥き出しにして舞台リングに上がってきた。その皮膚には古の戦闘紋章が刻まれている。先頭を行くのは巨大な虎族こぞくの戦士で、手にした巨大な両手斧グレートアクスが一歩ごとに地面を微かに震わせていた。

「シエン、何を考えている?」良奈が俺の沈黙に気づき、静かに尋ねた。

「龍之國は一度負けている。この組は絶対に俺たちの戦術を対策してくるはずだ」俺は深く息を吐き、思考をクリアにした。「だがまずは、目の前のこの『山』を片付けるのが先決だな」

リング上は獣人の咆哮で沸き立っているが、俺たちの側は異常なほど冷静だった。

「アイリン、この試合も力は温存しろ。基本の出力だけでいい」俺は護腕リストガードを調整しながら、低く命じた。「次の試合では最短速度で龍之國を秒殺する。それまでに手の内を晒しすぎるな」

アイリンはいたずらっぽくウィンクし、指先で青い電弧を跳ねさせた。

「わかってるわ、リーダー。食後の運動代わりに、ちょっとだけ『電撃マッサージ』してあげる」

良奈は黙って刀の柄に手を添えた。新しい紐の黒い絹が、彼女の指先にしっくりと馴染んでいる。言葉には出さないが、控えめながらも鋭い殺気が彼女の周囲に広がり始めていた。

その時、実況の声が増幅魔法を通じて雷鳴のように会場を駆け抜けた。

「ストラトス・ヴィア学院代表――シエン・スライ! アイリン・フロモネシュ! そして――イン!」

名前が呼ばれると同時に、昨日以上の拍手と歓声が爆発した。どうやら昨日の鮮烈なデビューで、俺たちはこの大会の注目の的になったらしい。対面の虎族戦士は巨斧を振り回し、瞳を血走らせていた。完全に戦闘狂バーサーカー状態だ。

「行くぞ!」

俺は二人に短く合図し、先に試合エリアへと踏み出した。

足が石畳に触れた瞬間、左眼の**【観測者かんそくしゃ】**が起動した。視界の中で、三人の獣人戦士のオーラの流れが鮮明に浮かび上がる。筋肉は鉄のように強靭だが、関節部分や魔力回路の接続点は、俺の目には隙だらけに見えた。

「速戦即決だ。観客を待たせるな」

俺は口角を微かに上げ、右手をうつろに構えた。抜刀の予備動作だ。

リング上の空気が、その一瞬で凍りついた。

虎族の戦士が咆哮し、巨大な足で石畳を陥没させながら、三つの動く山のような巨体が突っ込んできた。重厚な斧とメイスが風を切り裂き、その野蛮な圧迫感に観客席からは悲鳴に近い声が上がる。

「アイリン、援護」俺は囁いた。

「了解!」アイリンは優雅にその場に立ったまま、指先を弾いた。髪の毛ほどに細い白い雷電が、俺たちの足元で正確に炸裂する。それは敵を傷つけるためではなく、雷電の反発力を利用して地面の摩擦係数を強引に変え、俺たちに瞬間的な加速を与えるためだ。

そう!」

俺と良奈の姿が、同時にその場から消えた。

【観測者】の視界では、獣人たちの動きは無限に引き延ばされたスローモーションのように見える。先頭の虎族が振るう巨斧は剛猛だが、肩甲骨と脊椎の接続部分にある魔力回路が、過度な筋力行使のせいでラグを起こしている。

「左の奴は私がやる」良奈の清涼な声が耳元を掠めた。

黒紐に変えてから、彼女の動きはさらに怪異で予測不能になっていた。正面からメイスを受けることはせず、瞬歩しゅんぽで空中にかすかな残像を残す。軽やかな黒燕くろつばめのごとく、メイスの先端を爪先で蹴り、空中でスリリングな反転を決めた。

俺は虎族の戦士に正面から向かった。巨斧が千鈞せんきんの力で振り下ろされる。俺は身を僅かにかわし、鼻先を掠める斧の風圧を感じながらも、一歩も引かずにふところへ飛び込んだ。

「遅いな」

俺は右手を【墨淵ぼくえん】の柄に置いた。だが刀は抜かない。鞘の先端を正確に、虎族の脇下にある麻穴まけつへと叩き込んだ。そこは奴の気流が最も脆弱になる結節点だ。

「ぐっ!」巨漢が呻いた。右腕が瞬時に麻痺し、バランスを失った巨斧が轟音を立てて石畳に叩きつけられる。

同時に、良奈はもう一人の豹族ひょうぞくの背後に回っていた。プリーツスカートの下から覗く白い太ももが揺れ、細い指が柄に添えられる。新しい繫ぎ紐が淡い暗影を放ち、彼女の気配を完全に隠蔽していた。

豹族の戦士が驚愕して振り返ったが、見えたのは一瞬の銀の弧光だけだった。それは良奈が完全に抜かなかった刀身が反射した、一筋の月光のような輝き。

バンッ!

良奈は柄尻つかがしらで相手の頚部を強打した。速度に自信のあったはずの豹族は、反応することすらできずに前のめりへと崩れ落ちた。

これは視覚的な極致のコントラストだった。野蛮で狂暴な獣人に対し、冷静で精密、かつ優雅な俺たち。アイリンが後方から時折放つ妨害用の弱電が、巨獣たちを泥沼に引きずり込む。彼らは力があり余っているのに、俺たちの衣の端を掴むことすらできない。

「ねえ、シエン!」後方からアイリンが、レストランで食事をしているような気楽な声で叫んだ。「龍之國の連中、顔色がすごく悪くなってるわよ。もう少し遊んであげたら?」

観戦席を見ると、龍之國第二グループの選手たちが背筋を伸ばし、その表情を強張らせていた。俺は口角を吊り上げた。

「じゃあ、このデカ物たちに最後のひと暴れを付き合ってやろうか」

重心をさらに低くし、【観測者】が虎族戦士の強引に再構築しようとしている魔力中心をロックした。二本指を揃え、指先に雷光を集約させる。

「来い。ラストラウンドだ」

俺の言葉と同時に、虎族の戦士は最後の悪あがきを見せた。体内の獣能じゅうのうを狂ったように燃焼させ、皮膚をどす黒く変色させながら、心中覚悟の突進を仕掛けてきた。

「良奈、合わせろ」

「了解」

良奈の姿が鬼魅きみのように揺れた。今回は避けるだけではない。【観測者】の視界で、良奈の持つ【墨淵】と黒い繫ぎ紐が極めて高い周波数で共鳴しているのが見えた。黒い影が生き物のように彼女の腕に絡みつく。

しゅん――」

良奈の姿が空中に三本の黒い軌跡を描いた。極限まで高まった速度による残像だ。彼女は刀を抜かないまま、すれ違いざまに三人の獣人の膝、肘、そして脊椎の節点を正確に鞘で叩いた。

バキッ!

骨の砕ける音が鮮明に響いた。勢いのあった突進は唐突に終わり、三人の巨漢は骨を抜かれた泥人形のように崩れ落ちた。

そして、彼らが倒れ込む先に、俺は既に待っていた。

俺の左眼が眩い光を放ち、重なり合った獣人たちの魔力の流れを強引に固定する。右手を差し出し、てのひらを肉の山に向けた。蒼い雷光が指先で狂ったように踊るが、それは拡散せず、極小の光球へと圧縮されていく。

「これは次の組への挨拶代わりだ」

俺は龍之國の観戦席、あの重装のリーダーと視線をぶつけた。

ライ――極点きょくてん

掌の雷球を握り潰した。轟音と共に、蒼い雷柱が手元から爆発し、もがいていた獣人戦士たちを完全に飲み込んだ。雷光は彼らを蒸発させるのではなく、無数の細い針となって毛穴から侵入し、全ての魔力回路をピンポイントで焼き切った。

悲鳴すら上がる前に、雷鳴が全てをかき消した。

光が収まった時、三人の獣人戦士は黒ずんで煙を吐くクレーターの中で、完全に意識を失っていた。

俺はゆっくりと手を戻し、服についた埃を払った。良奈は俺の後ろに優雅に着地し、黒紐の末端が風に揺れている。彼女は少し乱れた黒髪を耳にかけ、何事もなかったかのように平然としていた。

アイリンが笑いながら駆け寄り、わざとリングの端まで行って、顔を青ざめさせている龍之國の連中に向かってあっかんべーをしてみせた。

選手用通路には、まだ決闘場からの振動の余韻が残っていた。壁の魔晶石の灯りが明滅し、俺たちの影を長く引き伸ばす。

「先生! どうしてここに!」アイリンがその姿を見つけて声を上げた。

マキシ先生は冷たい石壁に背を預け、書類を手に持ったまま気怠げにこちらを向いた。

「おや、見つかったか。進出したって聞いたからちょっと見に来たんだが……最後のあれには間に合ったよ」マキシは意味深な笑みを浮かべ、俺と良奈に視線をやった。「お前ら……容赦ないな。あの獣人たちを相手に、まるで花壇の手入れでもしてるみたいだったぞ」

「彼らが遅すぎただけです」良奈が淡々と答え、無意識に新しい黒紐をなぞった。

俺たちが今の「極点」の魔力配分について話し合おうとした時、通路の奥から乱暴で重苦しい足音が聞こえてきた。

「前を空けろ、どけ!」

傲慢な怒鳴り声が狭い通路に響く。振り返ると、龍之國の第二グループのメンバーが大股で歩いてきていた。先頭はあの紫の龍人だ。重装の鎧が足音と共に耳障りな金属音を立てている。

さらに不快だったのは、彼らの指導教師が後ろに従い、教え子の無礼な振る舞いを止めるどころか、見下すような蔑みの笑みを浮かべていたことだ。

「茶髪の、てめえに言ってんだよ! 耳が腐ってんのか?」

紫の龍人が俺たちの前で止まった。金色の縦長の瞳が俺を射抜き、これ以上ないほど不遜な態度だ。

「断る」俺は冷たく彼を見返し、右手をゆっくりと【墨淵】の柄にかけた。「何か用か?」

「いい度胸だな。筋肉ダルマの獣人どもに勝ったくらいで、無敵になったつもりか?」

龍人は挑発的に歩み寄ってくる。龍族特有の圧迫感が押し寄せるが、俺は一歩も引かずに踏み出した。通路の中央で、俺たちは額が触れ合いそうな距離で対峙した。互いの殺気と体温が伝わってくる。

「急いで負けに来たのか?」俺が先に口を開き、皮肉な笑みを浮かべた。

「お前らが運に恵まれているだけだってことを証明しに来たんだよ。昨日の第一組はカスだったが、明日は本当の絶望を教えてやる」龍人は歯を剥き出し、喉の奥で低い龍鳴を漏らした。

アイリンは拳を握りしめ、指先に青い電弧が不安げに走っている。良奈も僅かに半身を構え、戦闘態勢に入った。通路の気圧が氷点下まで下がり、衝突は避けられないかに見えた。

「おい、そこまでだ」

マキシ先生のタコだらけの手が、不意に俺たちの間に割り込み、軽々と二人を押し分けた。気怠げだった彼の瞳が今は鋭利な光を放っている。その一瞥だけで、あの傲慢な龍人が首をすくめた。

「やりたいなら舞台リングの上でやれ。廊下で騒ぐのは三流だぜ。なあ、龍之國の先生?」マキシは相手の指導教師に冷淡な視線を向けた。

通路の空気が凝固し、二人の指導者級の人物が対峙する。放たれる魔圧に、周囲の灯火が激しく震えた。

「マキシ先生。若者にはこういう雰囲気も必要だと私は思うがね。戦場に審判はいないのだから」

龍之國の教師は冷笑し、マキシの前に立ちはだかった。年長者が後輩に圧をかけるような傲慢な口調だ。

彼は俺たちを一瞥し、自分の教え子を甘やかすような視線を向けた。「我々は戦場のライバルであって、チンピラではない。だろう? 適度な『交流』はウォーミングアップにちょうどいい」

マキシ先生の気怠げな立ち姿が、瞬時に一本の槍のように鋭くなった。彼は乱れた襟元を正し、俺の前に立って龍之國側の威圧を全て遮断した。

「龍之國も前回の動盪どうとうの後で、まだ大会に出せる学生がいたのは喜ばしいことだ」

マキシがゆっくりと口を開いた。声は小さいが、抗い難い威圧感がこもっている。彼は目を細め、相手の教師に顔を近づけた。

「だが、お喋りが過ぎるな。ストラトス・ヴィアじゃ、実力こそが最高の雄弁ゆうべんだ。口先で戦うわけじゃない」

マキシの深い眼眸がんぼうに鋭い紅い光が過った。相手の教師はたじろぎ、得意げな笑みが引き攣った。彼は不自然に両手を振り、半歩下がった。

「……ふん、明日の結果を楽しみにしているよ」

「シエン、行くぞ」マキシは二度と相手に視線を向けず、大股で歩き出した。

俺は冷ややかに紫の龍人を見た。彼は引き離されてもなお、俺たちの背中に向かって、親指で喉を裂く「処刑」のジェスチャーをしてみせ、残酷な笑みを浮かべていた。

「シエン、さっきの奴……すごく嫌な感じ」

アイリンが隣を歩き、俺の服の端をぎゅっと掴んだ。指先には怒りの白い雷光が小さく跳ねている。

「大丈夫だ」俺は彼女の手を軽く叩き、前を歩くマキシ先生の背中に視線を据えた。「あんなジェスチャーをした代償は、舞台の上できっちり払わせてやる」

良奈はずっと沈黙を守っていたが、【墨淵】を握る指の関節が白くなるほど力がこもっていた。暗い通路の中で、彼女の黒い制服があらゆる光を吸い込み、彼女から放たれる冷気と一体化していた。

宿舎の廊下の灯りは少し暗く、壁に埋め込まれた魔晶石が柔らかな淡い青の光を放ち、俺たちの影を長く伸ばしていた。

道中、アイリンはずっと俯いたまま先頭を歩いていた。青い長髪が横顔を隠し、普段は雀のように賑やかな彼女が静まり返っているのは、見ていて不安になるほどだった。

俺はてっきり、彼女が龍人の挑発に怒っているのだと思い、歩み寄って肩を優しく叩いた。

「怒るな。あんな奴ら、腹を立てる価値もない。明日、舞台の上で叩きのめせばいいんだから」

アイリンは俺の声を聞き、肩を震わせた。彼女がゆっくりと振り返った時、憤慨した顔を見せるだろうと思っていた俺の目に飛び込んできたのは、耐えきれずに溢れ出した感情だった。

白い小顔は赤く染まり、碧い瞳には涙がいっぱいに溜まって、水浸しになりながら揺れていた。その姿は、あまりにももろく、頼りなげだった。

「シ……シエン、あの人たち、怖い……」

鼻声混じりの彼女の声は、守ってやりたくなるほど柔らかかった。「彼らの気配、昨日までの人たちと全然違うの。私……負けちゃうんじゃないかって、怖くて……」

その可愛らしくも可哀想な姿を見て、俺の張り詰めていた心は逆に解きほぐされた。怒っていたのではなく、明日の未知なる恐怖に不安を感じていたのか。

「大丈夫だ、自分を追い込むな」

俺は小さく吐息し、自然に両腕を広げて彼女を胸に抱き寄せた。

アイリンはしがみつく場所を見つけたように、そのまま顔を俺の胸に埋め、両手で俺の服をぎゅっと掴んだ。細い体が微かに震えている。それは強大な圧力に直面した時の、最も正直な反応だった。

俺は彼女の冷たくなった小さな手を握り、指先から伝わる震えを感じながら、声を和らげた。

「お前にはまだ『キュウ』があるだろう? 空間の雷電を支配する神級のスキルだ。自分がいかに強いか、忘れたのか?」

「でも……もし一撃で倒せなかったら……」

アイリンは顔を上げ、涙が頬を伝った。声には意地と恐怖が混じっている。

「もし負けたら、もう試合に出られなくなる。二人から離れたくない……っ」

その時、静かだが確かな足音が廊下の奥から響いた。

「私が、貴女を受け止める」

良奈の声は相変わらず清涼だったが、そこには人を安心させる響きがあった。振り返ると、良奈がそこに静かに立っていた。廊下の突き当たりにある窓から差し込む月光が、彼女の黒髪とプリーツスカートを照らしている。普段は波立たない彼女の瞳が、今は優しくアイリンを見つめていた。

「貴女の雷電が尽きたとしても、その前に私が貴女を受け止める」

良奈は歩み寄り、アイリンの頬の涙をそっと拭った。その口調は疑いようもなく確固たるものだった。

「だから、勝ち負けを恐れる必要はない。私たちは、小隊チームなのだから」

アイリンは呆然と良奈を見つめ、それから俺を見た。そしてようやく泣き笑いの表情を浮かべた。鼻先はまだ赤いけれど、先ほどまでの抑圧された恐怖は、この一瞬で霧散したようだった。

俺はアイリンの手を握り、もう片方の手で良奈の肩を叩いた。この時、俺は深く確信した。俺たち三人の絆は、単なる「チームメイト」という関係をとうに超えているのだと。

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