c-2/b-5.2人の冒険
ー配信が始まりましたー
「はい、というわけで、改めてお葉よー皆!私の挨拶はさておきー?お気づきかなぁ〜?
こちら、miniture garden onlineの中となっておりまーす!私の見た目は変わらないから、ちょっと見分けつきづらいかもだけどねぇ〜」
〜〜〜〜〜
「嘘乙、絶対背景変えただけ」
「いやだ、信じてたまるか」
「現実逃避勢オモロw」
「初めてみた!画質すげぇ〜!」
「え?まじでリアルみたいな感じじゃん」
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「すげぇ」
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「そして〜?皆が愛してやまない、私のアイドル、あの人がやってきてくれました!そう!
弟君でーーーーーーっっす!
イェーイ!フーーーーーーーーー!
お姉ちゃんが恋しくて来てくれたみたいでーす!」
「バレバレな嘘つくなよ姉貴、つか恥ずいからやめてくれ」
「いーじゃんいーじゃん!配信だよ?ルイルイがこんなにはっちゃけてるのに冷めた対応しないでよぉ!
あっこらそこ!一人称ルイルイまじかおっえーって顔しない!」
「わかるならやめてくれよ」
〜〜〜〜〜
「ほっこり」
「なかよしだな、うんうん」
「弟君は本当にかわいいからな」
「しゃあなし、うざいのはそう」
〜〜〜〜〜
「さて!ここで皆にアンケート!レイ君と一緒に狩りをする私が見たいかな!?解答は見たいか見たくないわけが無いだよ!」
「どんな二者択一だよ、結局今日は一緒に狩りをしようってことだろ?わかったよ、やろうか、どこ行く?」
「どこって?森しかないでしょ?」
「、、、え?いや、え?姉貴本気?」
「うん、狩りでしょ?森しかないんじゃない?」
「、、オッケー、まず、街のセーブポイントは見た?
「見たよ?」
、、、、、じゃマップ見ろよ、マップ上に建物とか立地全体についてのtipsがついてるだろ?
どこが狩場だとか、どこがギルドだとか
大マップから分かる通り、ここは大陸南の王国、今居るのは王国の北の端っこの始まりの街みたいなもの。
この街の北は森だけど、結構どこぞのクラフティングゲームみたいに自然地形豊かだよ?まぁ、なぜだか砂漠とか氷河はないけどさ
ちょっと話は逸れたけど、狩場だけで言うなら、まず街のどの方向行くか、どれだけ行くかで何個かバリエーションあるし、なんなら話によればダンジョンなんかもあるらしいから、狩場が森だけなんていうのは大きな間違いだって話。
オーソドックスなのは今目の届く範囲にある森だけど、10、20分歩けば別の街の出口から出発できるし、東側はちょっと遠くまで行けば沼地もあるし、西は少しだけスポーンしてるモンスターが違う森で、南は割と舗装されててあんまり冒険しがいはないよね。」
「へぇ~、、、お姉ちゃん無知晒されちゃって泣いちゃうかもぉ、まぁ、とりあえずは森行こうよ、うん。
っと、いけないいけない、配信見てる皆もわかったかな?レイ先生の言う通り、この世界はすんごい冒険しがいがあるんだよ!?すごいね!?」
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「はいはいニシャタクアンケート」
「狩りかぁー面白そう!」
「レイ君のビルドなんだろ?」
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「なんか説教みたいになって草」
「知らないんやばい」
「気まずw」
「見ててわからないんま?」
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「はえ~」
「気候関係は確かに不思議かも」
「配信モード切れてて草ぁ!」
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「あ、結構コメント流れてる、まぁまぁ!一旦!一旦森行こ!私とレイ君の華麗なコンビで、森を荒らしてやろう!」
「了解、んじゃ、装備の準備ってできてる?出来てたらもう出発しよう」
「じゃあ、レッツ移動!」
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「散歩やん」
「暇やな」
「雑談してくれ」
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「雑談なぁ、、、姉貴のコメ欄って我慢できないの?」
「お姉ちゃんさすがにノーコメントかも、レイ君切れ味良すぎね?」
「つかレイ君って呼ばれるの慣れないんだよね、俺も配信モードとか作ったほうがいいの?皆!レイレイだよー!的なのさ」
「あんたはキャラじゃないでしょ、やめといたら?」
「まぁ、言ってる途中に思った。つか姉貴もそうだろ、さらに言えばVがメタいこというなよ。」
「Vってなーに?ルイルイ難しいこと分かんな〜い、ルイルイは、植物の国から来たお姫様なんだよぉ?」
「それ公式?」
「いや、半分適当ね?」
「うーん、このガキ」
「ガキっていうな私より生まれたのが遅いガキ」
「双子でそのマウントはないよ、言ってて悲しくならない?」
「ないね!(断言)」
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「レイ君辛辣かな?」
「反抗期?」
「草、レイレイは本当に草」
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「メタいメタい」
「やめろやめろ」
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「ルイルイカワイーヤッター」
「お姫様ワッショイ」
「www」
「ガキの喧嘩始まったな」
「w」
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「さて、森に着いたわけだし、さっそくやって行こっか?レイ」
「待って、一回ビルド確認し合おうぜ。狩り方決めなきゃだし。俺は一応いまのところ速さ寄りの前衛、ノリ的にはシーフ?かなメイン武器は街に売ってるダガー、あと適宜装備変えたりしてる。兎には盾使うとかね。多分統一したほうがいいけど、ソロならフレキシブルのがいいかなって」
「へーーー、とりあえず前衛は任せていい、のかな?でも、どちらかというと遊撃みたいな感じだし、、、前は張ってくれるけど、ガッチリじゃないって感じだね!じゃあ、ルイお姉ちゃんのビルドは、メイン杖の〜、魔術師なのだ!
覚えてる魔法は土、水属性だね、派生の魔法は植物イメージで取ってるよ!やったねレイ君、お姉ちゃんを守れるよ!」
「なるほどなぁ、、、ちょっとまってね?姉貴はコメントのお友達と仲良くしてて」
「わかったわかった。
だってー!皆〜!なんか冷たいねー?
だーれが(物理)なのさ!あれはちょっとした手違いなんだって!兎さんがあんなに怖いとは思わないじゃん!
あ、そうそう、多分なんか考え中なのかな?
ちょっと待ってあげようと思ってね
え?知らない?このゲームの兎さんがはガチだよ?
爆速で攻撃避けるし、めっちゃ格闘戦上手いんだからね?格闘家もビックリだよ!」
〜〜〜〜〜
「レイ君近接なのか、意外」
「模索中なんだろうね」
「メイン杖(物理)かな?」
「バランスはいい、、、のか?」
「再放送」
「守れるよ!とかいう意味不w」
「なんか考えてるのかな?」
「理解あるな」
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「兎さんそんな怖いの?」
「兎さんが怖い?」
「兎、うぅ、頭が、うぅぅ」
「苦しんでるやついて草」
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「姉貴、ちょっといい?狩りなんだけど、チーム組んでるとミニマップで俺の位置がわかるじゃん?チャットで俺がなんか言ったら、罠の魔法使っとくとか、魔法構えとくとかしといて。それまでは木の上にでも待機しておいてね。んじゃ、先行ってくる」
「なにやら考えがまとまったみたいだね?
レイ君爆速で行っちゃったから、レイ君の言う通りにしていこうか!土魔法なら木登りだってお上品にできちゃうのさ!いやー、何するんだろうね?」
〜〜〜〜〜
「なんかすごい事するのかな」
「レイ君って頭いいん?」
「きっとがんばってくれるようんうん」
「見守ろーぜ」
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「まーね、何かあってもルイお姉ちゃんの手厚いカバーってやつを見せてあげるのさ!
あ、連絡きた、内容「あ」だけなんだけど?
まぁいっか、私の魔法で罠でしょー?まぁ、土魔法で地面に穴を掘って表面隠して、手前で氷踏ませて滑らせれる感じで行こう!」
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「か、、、賢い?」
「嘘だドンドコドン!」
「手厚いカバーなぁw」
「だ、誰だお前!俺たちのルイルイを返せ!」
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「ひどい輩だなぁー、私が小癪なことするくらいで驚きすぎじゃない?!
葉っぱは忘れてるんだよ!私には誰よりもわかりやすくこういう発想にすぐれたレイ君っていうお手本があるんだよ!」
「姉貴〜?今行くから気をつけろよー!」
「ひぃ!バレた!もう来たの?お姉ちゃんいじめられちゃう!、、、
つか足音結構やばくない?ドッタバタなんだけどぉー?!」
"ゔぅるる゛る゛る゛"
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「狼さんのおなーーりーーー!」
和樹がノリノリで狼を引き連れながら走っていく。その片腕にはツル性の植物を加工して得た紐らしき者に、殺人ウサギとゴブリン達の肉片がくくりつけられたものを引きづっており、あわや狼のエサという距離感である。
しかし、距離調整も彼の計算のうち、ミニマップの距離と千代の魔法から、大まかな距離感を測り、それに合わせて多少回り道をしていたのだ。
「よろしくお願いしまーーーっす!」
必殺の距離、この森に住む狼の扇形状の狩りの陣形において先陣を切るモノが、渾身の切り裂きをお見舞いしようとする。
その目は確かに眼前の大穴を見据えている。しかし、その体は自らの落下よりも群れとしての狩りを優先する。
その体はもはや穴へと飛び込む勢いで、浮遊感を感じながらその前脚を振り抜き、確実に、"なぜか一瞬動きが鈍った"眼前の逃亡者を深々と斬りつけた。と思ったのも束の間、渾身の切り裂きは獲物の体をすり抜け、体が大穴へと投げ出される。
「残念、肢曲だよ!」
ここには魔力があり、魔力に適応したこの世界の人々には、MPとは別で、SPがある。(ステータス画面からしか覗くことはできないが)
人々はその気力を振り絞ることで、力を使うことに鍛錬は付き物だが、火事場の馬鹿力のような超人的な力を一時的に出すことが出来る。
今回和樹が使用したのは、一瞬だけ自らの動きを少し遅れたように見せることが出来るというもの。命名は個人の自由であるから、
『トリック』とは和樹の遊び心だ。
「姉貴!カバー!」
ターザンの要領で、引きずり回していたロープモドキを太そうな木の枝に投げ掛け、穴の壁面にかろうじて手を掛け、よじ登る。
その間の背後は千代にお任せである。
「え?了解!」
残り割と少ない魔力で氷を飛ばし、千代が和樹をカバーする。二匹ほど撃ち落とされ、ドタバタとおよそ10体の狼がそのまま足を滑らせ、穴へと流れ混んでいくが、やはり5匹前後、群れを率いる狼とその側近が残る。
残りの狼との睨み合いが始まり、落下した狼達がよじ登ろうともがき始めようと言う中、木の上から見下ろす和樹はさも当然かのごとく懐に手を伸ばし、
ーー市場御用達の食用油を投げ込んだーー
「よく燃えろよー?お手製の火炎魔法だ」
煽るわけでも怯えるわけでもなく、淡々とその作業は継続し、速やかに火打ち石から乾燥した木材に火をつけ燃焼させる。
手には今ついたわけではない些細な火傷跡がある。この世界では回復薬などを用いない限り、手元の些細な傷程度はダメージ表記にもならなければ、HPも減らないようだ。
「ひえぇーー!!おっかな!」
千代がドン引きするも、和樹は気にせず宣言する。
「さて、第2ラウンドといこう。互いに狩りは始まったばかりだろ?」




