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七階ぐらい後半になると、キャラクターが復活することぐらいあるよね!

モブ杉平太。デスゲーム開幕直前に凶弾に襲われ死亡したかに思われた。

しかし、どういうわけか、生きていたし、七階までたどり着いていた。


「いやいやいや、なんで生きてんのさ!?お前初手で情報お漏らしして銃弾で脳天ぶち抜かれたじゃん!」


「俺は今日という日のために、すべてを掛けてここに来た!」


全然気づいてないし。

僕らいることに全然気づいてないのに、一人語りの延長線で、呪術◯戦のケンジャクみたいにパカッと頭を外し……外して……え。

ええええええええええええ!?


「つ……つつう……つるっぱげでいらっしゃるぅううううううう!?」


「この頭の惨状こそ決意の現れ!防弾性カツラを被るために、毛量による一切の隙間を排除した!これもすべて、クラスの英雄となり、女子にモテモテになるため!っといけないいけない。あくまでマドンナちゃん一筋なことを忘れるところだった。待っててね、か弱き乙女なマドンナちゃん!君のためにこの命、捧げてきまーーーーす!」


アイツ僕らに気づいてないのに、一人語りで全部説明しきった!?

ついでに、怪しい廊下をなんの警戒もすることなく走り出した!?


「あー、モブ杉くん終わったね」


「マドンナさん!?突然何を言い出すんです!?」


「えっとね。この廊下なんたけど、一見なにもないように見えて、実はとんでもない仕掛けがあって」


「なんですかそれ。気になります」


「ある一定の場所を越えると、網状のレーザーが迫ってきて、通る人を細切れにするの」


マドンナの言った通り、網状のレーザーがモブ杉を細切れにして、あたりに肉片が飛び散り……。


サイコロステーキ先輩じゃねぇか!


「グロすぎるよぉ!見せられないヨ!見せられないヨォ!」


「安心して。サイコロ状になった肉片は、どこからともなくちりとりが出てきて掃除してくれるから」


「どうやって安心しろってのさ!?たとえチリ一つなく掃除したとしても、目に焼き付いたグロシーンはぬぐえないんだ〝かんな〟!」


「……はしもとかーん」


「言わせるかァッ!」


ーーーーーーー

モブ杉の肉片が掃除された後、さっきまでの血まみれだったのが嘘みたいに、綺麗になった廊下を見つめながら、マドンナと話し合っていた。


「それでこれどうやって攻略するの?」


「今のところの候補は……気合と根性?」


「品性の欠片もない泥沼みたいなゴリ押しはやだよ、マドンナさん」


「じゃあ他に何かある?」


「ありません」


即答できた。だってこのギミック本当に謎解きとかなさそうなんだもん。

ただただ道を塞いでるだけ……みたいな感じだし。

もしやこれ、ミスリード……とか、非正規ルート的なそういうあれなのでは?


「……もし方法が見つからないなら、いっそ四階に戻ってみるのもありな気がする」


「どうして?」


「方法がないからだよ。こういうデスゲームって、理不尽なように見えて、実はちゃんとした攻略法って言うのは用意されてるものなんだ。でもこの廊下の仕掛けからは、攻略させようって気が全く感じられない。だから……」


「方法ならあるよ。僕を頼ればいいのさッ!」


背後から、話に割って入ってくる声が聞こえた。

なんだか凄い聞いたことのある声だ。

例えるならら昨日の授業中に会話した覚えがあるくらい聞き覚えのある声だった。

そしてこのパターンは二度目だ。

死んだはずのキャラが復活なんて展開連発するのなんて、ダ◯の大冒険の終盤ぐらいでしか見たことない。

いやダ◯の大冒険でも一話でダブル復活とかなかったからな!?

見たことない奴ついてこれてる!?


そして、背後を振り返る。

僕らの後ろで、よくわからないポーズで静止しているこの男は、紛れもなくプロフェッサーだった。

正直、二度目ともなるとどんな反応したらいいかわからんくなる。


「あれ、お前消し飛んでなかったっけ?」


自分でも驚くくらいの反応の薄さに、プロフェッサーは困惑の表情をうかべる。


「いや、僕が言うのはおかしい気がするが、もっとほら、えぇええええええええ!お前、生きていたのかッ!ってぐらいの反応あってもいいと思うのだけど!」


「ごめん、二度目だから慣れちゃった。で、なんで生きてんの?全身透明になれる謎のスーツでも着てた?」


「いや、自分そっくりのロボットを登校させて、僕はトイレで待機していたんだ。死体撃ちは良くないってカスみたいなサイズの善意が生んだ、〝一度死ねば狙われなくなる〟というルールの穴を利用したまでさ」


なにそのガバガバルール。成り代わりとか想定してないんか。


「それで、どうやって突破するのさ。まさか、マドンナさんみたいに気合と根性なんて言うんじゃ……!」


「その通り。超天才な僕は気合と根性でどうにかなってしまうのさ。こんな風にね!」


プロフェッサーのメガネがピッカーンと光り、ガチャガチャと音を立てながら、メガネから何十枚ものパネルが展開。

そしてプロフェッサーは、ものすごい手さばきでパネルに何かを入力し終えると、何十枚ものパネルが一つの砲台のような形を形成。

最後にプロフェッサーは、たった1枚合体からハブられたパネルに描かれた、赤い発射ボタンを押すと砲台からバチバチと音が聞こえ始め……。

次の瞬間には、砲台からクソデカビームが発射された。


「結局脳筋なんかぁああああい!」


「脳筋とは失礼な。まさか君には、これが破壊を目的とした行為に見えるのかい?」


思わず叫んでしまったが、プロフェッサーは僕のツッコミが不服だったようで、反論してきた。

しかし、僕にはどう見ても破壊行為にしか見えんかった。


「いやいやいや!誰がどう見ても破壊行為でしょうが!脳筋じゃなきゃなんだって……あれ、どこも壊れてないんですけど……」


確かにビームがブチ込まれたはずだった道は、どこもかしこにも傷は無く、一見何も変わってないようにしか見えなかった。


ガシャガシャとまた音を立てながら、パネルをメガネの中に引っ込ませるプロフェッサー。

あのメガネのどこにそんなスペースがあるのかわからん。


「あれはただのエフェクトで、僕の趣味だ。ハッキングウイルスを埋め込むだけの作業に、破壊行為にしかは必要ない」


「ハッキングウイルスぅ??」


「感染率100%!そして感染維持率も100%!たとえ駆除できたとしても、新たなウイルスを産みつけ瞬時に拡散し支配する!僕が作り出した最強のコンピューターウイルスってところだ。とにかくこれで、もうビームは出てこないはずだ」


なにそれ凄すぎん?


「プロフェッサーくんすごーい」


まずいマドンナがコメントに困って棒読みで褒めてる!?

たぶんよくわかってないんだろう。僕も同じようなものだけど!


「マドンナ!僕はそんなお世辞なんていらない……。そんなゴミよりも、僕は君と結婚したい!なんならいますぐ結婚しよう!」


「キモい」


わーお。突然告白して、一瞬で振られて、ほっぺにビンタくらってレーザーの道をまっすぐ飛んでったぁ。

……確かに、レーザーは切れてるみたいだ。

これで、八階にいけるぞ!よし!


「クククッ!なんて恥ずかしがり屋さんなんだマドンナは!暴力なんて振るうくらい、彼女は嬉しかったのだな!さあマドンナよ!僕といますぐ結婚を!」


「キモい」


めげないなぁ、プロフェッサー。








めっちゃ原神してた。

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