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5階なんて知らないんですけど

「発見!発見!ハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョ」


「消え失せろぉおおおお!ハイビームカノンフルバースト!」


プロフェッサーを跡形もなく消し飛ばした時のように、ビームがハッピーくんの上半身を包み込み、一瞬のうちに、キャタピラを残して消し炭にしてみせた。

ちなみに技名は今適当に決めた。意味なんてない。


現在は四階。

九階の校長室を目指すってのに、武器も何もないんじゃどうしょうもないってんで、武器の一つでも落ちてないかと体育館の中を探してみたら、マドンナがぶっ飛ばしたハッピーくんが落としたであろうビームライフルが落ちていたではありませんか。

とりあえず体育館で五発ほど試し打ちしてみた結果、エネルギー切れとか、次の発射までのインターバルとか、その他諸々不便要素を完全に取り払った最強の平気であることがわかった。

こんなのマインドコントロール前になかったような気がするんですけど……。

いや、誰かがそんなの作ってたような作っていなかったような……。


そんな、今はどうでもいいことを考えているうちに、五階に続くであろう階段の前に立っていた。

学校に黒い階段なんて、なかなか見ない組み合わせを目撃し、この先に待つ地獄のようなトラップの数々を想像し、ゴクリと唾を飲み込む。


「えーい迷うな僕!ここまで来たら、最後までいったれ僕!担任とっ捕まえてマジレスしながらぶん殴って、それで全部終わりにする!あと真理に説教してやる」


やっと決意を決めた僕は、黒い階段を登り、存在しないはずの五階へと進んだ。

正直行きたくないけど、行かなきゃ話進まないし、一生デスゲームやるなんて嫌だから!

そういうのは、ダンガ◯ロンパとか、SA◯とかで間に合ってるから!

わざわざ僕がそれ書く気力ないから!


ーーーーー


五階の様子は、四階までと違うようで、大まかな形は何も変わっている様子はなかった。

わかりやすく言うなら、黒く塗りつぶされてるだけで、今までと何も変わらないって感じだ。

そのせいで、来たこともない未知の世界のはずなのに、妙に土地勘があるように感じてしまう。

ちなみに五階に上がったところからは、六階へ行けそうになかった。要するに、探索して別の階段を探せってことだ。

なんてめんどくさい。


「なんだか怖い話にありそうな雰囲気……!デスゲームなのかホラーゲームなのかハッキリしろよな!」


明かりはついてはいるが、辛うじて足元が見えるくらいに薄暗い。

あの殺戮兵器があるかもしれないと思うと、走って先を急ぐことは難しい。

警戒しながら前進……か。


歩きながら、五階の気になったところを観察していく。

窓にシャッターが降りている。

そのせいで外は見えないし、光だって入ってこない。

それとやっぱり暗い。

四階までと同じように、明かりはついているものの、この場所を照らすための光ってわけじゃなくて、ゲームとして成り立たせるための最低限の光って感じだ。

やっぱり、このゲームの主催者は、デスゲームとホラーゲームがマザルアップして記憶してるらしい。

まるでパー◯ェクトノック◯ウトゲーマーだ。

……これ伝わってる?


足を止める。もちろん無意味に止めたわけじゃない。暗い世界に似合わない強烈な光が見えたので、警戒をかねて一度立ち止まったのだ。

その光は懐中電灯のようなもので、ちょうど死角になっている場所から伸びてきていた。

正面に向けてビームライフルを構えてはいるが、クラスメイトである可能性が捨てきれないため、発泡はまだできない。

射つのは、姿がハッキリ見えてからだ。

闇を照らす光の正体が、闇を作り出している薄暗い明かりによって、晒される。

キャタピラの足、そしてあのシルエット。間違いなくハッピーくんだ。

さっさと射ち抜こうとビームライフルの照準をハッピーくんに合わせ、トリガーを引いて発射する。


「外した!?」


だが、所詮は素人の腕。

暗闇での射撃は、流石に難しかったのか、ビームはハッピーくんから大きくそれた。

ハッピーくんが異常を検知したのか、コチラを振り向こうと首が回る。

光がコチラに迫ってくる。

こうなったら、絶対に外さない距離まで、走ってでも近づいて、ビームを当てて破壊するしかない!

これを当てなきゃ死ぬ!マジで!


光が僕をとらえるまでに、少しでも近づいて、消し炭にされる前に消し炭にする。

これはそういう戦いなんだ。

だから僕は全力で走った。

許された時間はたった一、二秒。

その時点で、ハッピーくんとの距離は、だいたい10メートル。

光がすぐそこまで迫ってきている。

ここまでが限界……近いぐらいな気がするけど、外したら終わりだと思うと、手汗がドバドバでてくる。

考えろ。ただ一発当てればいいんだ。

それが出来れば、僕の勝ちだ。


光が僕の姿をあらわにさせる。

ハッピーくんが僕を視認した瞬間、うるさい声をあげようとする。

それよりも早く、僕はトリガーを引き、ビームを発射した。


「発見発見!死刑死……」


ビームがハッピーくんの上半身を包み込み、ハッピーーくんを消し飛ばした。

残されたものは、キャタピラだけだった。


生き残った僕は、安堵の息をこぼした。

ワンミスが死に直結するこの状況は、はっきり言ってクソキツい。

もう二度とミスしたくないなんて思えてくるほどだ。

そういえば、四階までと同じ構造なら、左の方に階段があるはずだ。

そこからなら、六階に上がれるかもしれない。


そんな時だった。

背後から逆光を浴びた。

浴びた光は、なんだかものすごく既視感のあるもので、なんならさっきずっと警戒していたまである光と酷似していた。

つまり、何が言いたいかって言うと……。


「射撃!後に撤退!ゆえにお前を狙い撃つぜ……えぇ?」


この判断は、殺戮兵器一体なら何とかなったのだろう。

でなければ困るのだが、それよりも状況が不味かった。

誰が十機同時にエンカウントするなんて想像できるだろうか?

とりあえず、一回ビームを発射する。

今ので二機くらい破壊できたが、残りはピンピンしている。

というわけで。

逃げます。


「ふざけんなぁああああああああ!」


「発見発見!処刑処刑処刑処刑処刑処刑処刑」


「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」


「ハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョ」


オールスター勢揃いじゃないか!嬉しくないね!

左を見ると、四階までと同じでちゃんと階段が存在していたので、急いで階段を駆け上がる。

所詮キャタピラだ。もし階段が上れるのだとしても、二足歩行よりは時間がかかるだろう!(適当)


というわけでなんやかんやで、六階へたどり着いたのだった。


PS5で新作ばっか出しやがって!高いんだよ!

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