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最強姉妹は異世界でも無双する。シスコン上等、家族仲が良くて何が悪い!  作者: 文字書きA
第二章 湖の国

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創世

翌日。4人は島の東端から、地の道を通ってオルテンデへと向かった。見慣れた洞窟の風景を横目に、前へ前へと進んでいく。しばらく歩いたところで、ウィリが立ち止まって、口を開いた。


「着いたわ。ここが、オルテンデの真下よ」


(かな)は周囲を観察した。見慣れた洞窟の景色。人も居なければ、建物もない。地下だから当たり前だといえばそうなのだけど。華は、身構えていたからか、拍子抜けのような気持ちになった。


「結構、近いんだ。ここに空間を作って、土地を広げるんだよね?」


「うん。そうするつもり」


華の問いに答えて、(れん)が洞窟の真ん中に立つ。


「Terra Deo benedicta viror aqua sol luna homines spectant alter mundus creando《神に祝福された大地。緑と水、人々を見守る太陽と月。2つ目の世界を、ここに生む》」


蓮が呪文を紡ぐ。洞窟の中に、風が吹いた。風が雲を連れてきて、雲が雨を降らす。


「雨……? 洞窟の中なのに……ううん、そんなことより、濡れてない……?」


ウィリが天井を見上げて言った。雨が降っているはずなのに、体は少しも濡れなかった。


「これは雨に見えているだけで、実際は違う。目を開いて、よく見るといい。ウィリになら、見えるだろう」


ジゼルに言われて、ウィリは目を凝らす。風が雲を呼び、雲は雨を降らせ、それが川となって大地を潤す。世界の循環が、地の底で繰り返されている。


『ヨバレタヨ』


『ヨバレタネ』


人ではない声が聞こえて、ウィリはようやく気づいた。


「そっか。これは本当は雨じゃなくて、水の精霊たちなんだ」


不思議そうな顔をして、空を見上げていた華が、ウィリの方に視線を向ける。


「どういうこと?」


「この世界は、精霊の力で(まわ)ってる。それは、カナも知ってるでしょ?」


華が頷いたのを確認して、ウィリは言葉を続けた。


「レンさんは、精霊を呼んでるのよ。雨が降ってるように見えるのは、精霊が落ちてきているの。物質としての水があるわけじゃないから、濡れることはないと思うわ」


「そうなんだ。じゃあ安心だね」


華はそう言って笑った。その様子を微笑ましく思いながら、ウィリは考えた。


(でも、地の精霊の領域に、他の精霊を招くなんて。そんなこと、仮に出来たとしても、火や風の精霊は居心地が悪いから嫌がるはず。なのに、皆、楽しそうにしてる。まるで地の底に、もう1つの世界が出来たみたい)


それは奇跡だ。ウィリはジゼルと目を合わせた。きっと、彼女も同じことを考えている。


(これは確かに、黙っていた方がいいわね)


誰かのためではなく、蓮と華のために。ウィリは、そう決意した。

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