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最強姉妹は異世界でも無双する。シスコン上等、家族仲が良くて何が悪い!  作者: 文字書きA
第二章 湖の国

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そして、それから

「オルテンデの王になると言ったな。具体的には、どうするつもりだ?」


平坦な声。これだけのことが起こっても、ジゼルは動じた様子もなく、姿勢を正して座っている。


「貴様の話から考えれば、父も兄も殺さねば、王にはなれまい。だが、レン様と交わした誓約の内容には、『奇跡の力を人殺しに使わないこと』がある。このまま、この家に居続けても、貴様の望みは叶わない。そうだろう?」


ジゼルとメレディスの目が合う。先に視線を外したのは、メレディスの方だった。


「そうとも限らない、が……」


メレディスは(れん)の方に目をやって、不敵な笑みを見せた。


「レンとか言ったな。お前1人で、明日、塔に来い。その方が話が早い。どうしても誰かを連れてきたいなら、その騎士にしておけよ」


その言葉を残して、メレディスは家から出ていった。後に残された4人は、しばらくそこから動けなかった。


「……私、行くわ」


静かになった室内で、蓮が口を開く。


「ジゼルさんと一緒に行くから、大丈夫よ」


「おねえ、ちゃん……」


(かな)が畳に涙をこぼす。ウィリがその背を撫でながら言った。


「レンさんが決めたことなら、アタシは何も言わないわ。でもいいの? カナは、行ってほしくなさそうだけど」


「それでも行かなきゃ。オルテンデの王様が誰になるかなんて、私にだって興味はないけど、あの人を放っておくわけにもいかないもの。それに、あの人が王になるんだったら、それはそれでいいと思うの。私たちがオルテンデに行くことはないんだから、あの人が王位につくなら、自然と道が分かれることになる。でしょ?」


「でも、でも、あの人……お姉ちゃんのこと、気に入ってた。オルテンデに、連れ帰るつもりなんじゃ……」


華がしゃくり上げながら、言葉を発する。蓮は妹が落ち着くのを待って、ゆっくりと話し始めた。


「もし仮に、あの人が私をオルテンデに連れ帰るつもりだとしても。私は、あの人の思い通りにはならないわ。私を信じて、任せてちょうだい」


蓮は笑っている。華は涙に濡れた瞳で、姉を見た。


「じゃあ、約束。あの人としたような、魔法みたいなものじゃなくて、コレで」


華が片手の小指を差し出す。蓮は頷いて、自分の小指を華の指に絡めた。独特のリズムに合わせて、歌いながら手を揺らしているうちに、いつしか、華の涙は止まっていた。魔法の力が働いていなくても、その約束が破られることはない。それは、姉妹にとって特別な約束だから。そのことが分かっていたから、華はようやく安心できた。

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