表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強姉妹は異世界でも無双する。シスコン上等、家族仲が良くて何が悪い!  作者: 文字書きA
第二章 湖の国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/83

騎士親子、塔にて

4人はテオバルトと共に、神殿から北東の方角に向かって歩いた。少しして、島の北端に到着する。(れん)はそこで足を止めて、呪文を紡いだ。


「Altam turrim《高き塔は、天に届く》」


周囲の石が集まって、積み上がっていく。やがて、何もなかった場所に、塔が建てられた。それは飾り気の無い、見張り塔のように見えたが、テオバルトは気に入ったようだった。


「ふむ。聖女というのは、こんなこともできるのか」


そう言いながら、彼は塔の中に入る。その姿が完全に見えなくなったことを確認して、蓮はジゼルに声をかけた。


「……ごめんなさい、ジゼルさん。仕方がなかったこととはいえ、勝手に決めてしまって……。ジゼルさんにとって、お父さんが居るところで暮らすのは、負担になるのに」


「何を仰るかと思えば、そんなことですか」


ジゼルは蓮の不安を、笑いとばした。


「確かに、父との間には確執があります。ですがそれは、些細なこと。レン様の判断は、間違いではありません。オルテンデから送られてくる者について、何も分からないのであれば、せめて。セルフォス側の選択には、介入すべきです」


「……それは、でも、ジゼルさんのことを考えていないやり方で……」


「不要です。……レン様。私は、貴女の騎士です。そのように心を決めたのですから、同じ島に父親が住むというだけで、揺らぐことはありません」


ジゼルが蓮の手を取って、ごく自然に(ひざまず)き、手の甲に軽い口づけを落とす。彼女はすぐに顔を上げて、鮮やかに笑った。


「貴女は、ただ私を信じて、任せてくだされば良いのです。そうしてくだされば、私は何があっても、誰が相手でも戦えるのですから」


蓮は目を見開いて、次いで真剣な表情になって頷いた。


「……はい。ありがとうございます、ジゼルさん。信じて、います」


(かな)が目を輝かせながら、2人の話を聞いている。ウィリは呆れたような表情を浮かべて、近くを飛んでいる橡蝠守(アーティグル)に目をやった。


「全く、余計なことばかり気にするのね。アートも、そう思わない?」


橡蝠守は我関せずといった様子で、その場から離れていく。それと同時に、塔の中を一通り見て回ったテオバルトが戻ってきた。ジゼルが何事もなかったかのように立ち上がって、向かい合う。


「では、私たちはここで失礼します。何かご用件がある時は、島の南にある建物まで訪ねてきてください」


「ああ。お前に言われなくとも、そうさせてもらうつもりだったさ」


明らかに棘のある、ジゼルの言葉。だが、テオバルトは気を悪くした様子もなく、鷹揚に笑って頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ