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最強姉妹は異世界でも無双する。シスコン上等、家族仲が良くて何が悪い!  作者: 文字書きA
第一章 4人の旅

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北の港

窓に掛かった布が開けられて、(れん)の顔に朝日が当たる。蓮は目を覚まして、起き上がった。


「ん……お姉ちゃん……?」


隣で眠っていた(かな)が、蓮が起きたことを察知して、身を起こす。


「おはよう、華」


「おはよう、お姉ちゃん」


挨拶を交わして、ベッドから出る。机の上に、人数分の水が張られた石の器が置いてある。2人は並んで顔を洗って、近くに置いてあった真新しい布で顔を()いた。


「レン様、おはようございます」


布を横に置いたところで、蓮はジゼルに声をかけられた。


「おはようございます。……昨日は、先に寝ちゃってすみません」


「いいえ。私の方こそ、戻るのが遅くなってしまい、申し訳ありません」


お互いに頭を下げあう、少女と騎士。彼女たちを見ながら、ウィリが口を開いた。


「何やってんの。ジゼル、アンタ、時間がないって言ってなかった? そんなこと、してる暇あんの?」


蓮は驚いて、ウィリの方に視線を向けた。ウィリは橡蝠守(アーティグル)を連れて、扉の前に立っている。


「時間がないって、どうして?」


「これから、船に乗るから」


「船に? でも、ウィリちゃんは森人(フォレッラ)の人たちが暮らす集落に行くって……」


「ああ、その話。アタシは最初からアンタたちに着いていくつもりだったから、気にしないで」


「そう、なんだ。じゃあ、船に乗るっていうのは……」


「元々の、アンタたちの目的だって聞いたけど。南の港はマクデブルクの支配下にあるから、北の港から船に乗るんだって、ジゼルが言ってたわ」


「……そっか」


北の港から船に乗るなんて、蓮と華は聞いていない。きっと、眠っている間に、ジゼルがウィリに話していたのだろう。仲良くなれるか、心配だったけれど。


(そんな心配、いらなかったんだ。……良かった)


蓮は笑みを浮かべて、振り返った。背後にいるジゼルは、気まずそうな顔をしていた。


「大丈夫です、ジゼルさん」


そう言って、笑いかける。華がジゼルに近づいていって、その手を取って引っ張った。


「時間がないんでしょ? 行こ!」


ジゼルの表情が和らぐ。部屋から出て、廊下を進んで。この家に来たときと同じように、4人で揃って扉を開ける。煉瓦造りの家々が建ち並ぶ道を抜けて先に進むと、潮騒(しおさい)の音が聞こえてきた。冷たい風が、潮の香りを運んでくる。目の前が開けて、大きな木製の船が何艘(なんそう)停泊(ていはく)しているのが見えた。港の入り口にいる人に、ジゼルが声をかける。


「船に、乗せてもらいたいんだが」


港の人は4人の顔を見て、首を横に振った。


「すいませんが、あんたらは乗せられません。王宮から、通達が出ているんで」


そう言って、港の人は4人が描かれた絵を見せた。ジゼルが顔色を変える。


「……まさか」


ウィリが舌打ちする。蓮と華は、何が起こったのか分からなかった。4人の後ろから、大勢の人の足音が聞こえてくる。ジゼルが振り返って、目を見開いた。

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