第7話 桃剣(とうけん)
第7話 桃剣
プフィルズィヒへは簡単に着いたが、
着いた時に誰かからの視線を感じた。
まだ殺意を感じられない為、警戒しつつ
宗也たちには伝えないでおく。
「ここがプフィルズィヒか、
ダーリンガムやカープリアンと違って
建物の色が明るいな。」
宗也が独り言の如く言う。
「ここは所謂大人の街だ。昼間はただ
明るい色の建物が並ぶ奇妙な街だが、
夜になればその様相はガラリと変わり、
大人の街へとその姿を輝かす。」
上藤が説明する。
「上藤さんってGraveに詳しいっすね。
なんでなんすか?」
中3の鳴門は上藤が元Graveということを
知らない。反Graveコミュニティでは
大半が知る事であるが、若い世代のには
わざわざ言わない家族が多く知らないのも
無理はない。
「Graveに詳しくなかったら反Grave
コミュニティを率られないだろ?」
鷹斗が答えを言わないように諭す。
「それもそうっすね。」
鳴門は納得した。
「この街はさっさと抜けよう、夜になれば
通り抜けるのは困難になる。急ぐぞ。」
「了解。」
謎の視線が近くなった。何か仕掛けてくる
かもしれない。離れなければ。
どれだけ移動しただろうか、大人の街からは
かなり離れた。しかし、視線は消えない。
「結構ここら辺は普通なんすね。」
大人の街から離れた場所はよくある
住宅街になっていた。ここだけ見れば
ダーリンガムやカープリアンと相違ない。
少し広い公園へ出た。視線の正体を
見極めるためだ。そいつは突然やって来た。
「そこの旅の方々、上藤さんが居る
という事はそういう事ですよね。」
ついに姿を現した。
「君か、坂谷桃也。」
[坂谷桃也。36歳。
Grave戦闘員。
ソウルスキル"プフィリアシュヴェーアト"。
通称桃剣。剣技に桃の
エフェクトを付与する。GraveランクE。]
ついでにGraveランクについて説明する。
Graveランクとは戦闘員にのみ与えられる
簡単に言えば強さのランク事。
最高ランクはZ。順番はCDEFGABZ。
ツェー、デー、エス、エフ、ゲー、アー、
ベー、ジクサス。
最高ランクZは現在最高指揮である
ゾルディックのみ。
「あら、バレてましたか。上手く
隠れていたつもりだったのですが。」
腰に刀を携える軍服のような姿の彼は
上藤の旧友である。ちなみに上藤の
GraveランクはA。
「上藤さん、知り合いですか?」
ビビりながら宗也が聞く。
「それ以上だ。」
それを聞いた彼は笑みを浮かべて、
「嬉しいですねぇ。かつての幹部候補に
そう言ってもらえるのは。」
!!
一行に衝撃が走る。元Grave戦闘員である
ことは反Graveコミュニティでは周知の
事実ではあるが、幹部候補である事は
初耳である。鳴門にとっては上藤が
元Graveであることだけでも衝撃
であるのに。
「悪いが先を急ぐ。坂谷、見逃せ。」
桃也は不敵な笑みを浮かべる。
「見逃す?ご冗談を。せっかく
合間見えたのですから手合せ願いたい
ですが?それに、そこの青年はあの方の
脅威となる者。見逃せなすまい。」
一行はすぐに臨戦態勢になる。
「そうか。なら、やるしかない。
ソウルスキル解放!オーバー!」
「それでこその上藤さんですよね。
ソウルスキル解放!プフィリア
シュヴェーアト!」
板谷は抜刀し、その桃色の刃身を晒す。
「ピンクの剣!?」
宗也、鷹斗、玲衣奈、茉耶、巳波、鳴門は
その刃身に驚きを隠せない。
「やつの剣に触れるなよ。触れられれば、
その部分は桃の如く柔らかくなる。
一度やられれば奴が能力を解くまで
治らない。触れられた部分は攻撃を
防げず、攻撃もできずで、やってしまえば
すぐに崩れる。崩れたら、これも同様に
奴が能力を解くまで治らない。
気をつけろ。」
「了解。」
「上藤さん、種明かしには尚早だと
思いますが。」
桃也は焦りを見せる。
「言わずともすぐに分かるからな。」
牽制する上藤。
「(宗也、君はまだソウルスキルを
使うな。使うタイミングは教える。)」
宗也へ桃也にバレないように合図する。
「ソウルスキル解放!トルネーダー!」
鳴門がソウルスキル解放する。
「ほう。身体を水属性へと変化させる能力
ですか。私の攻撃が効くかどうか見もの
ですね。」
桃也の目が怪しく光る。
「ソウルスキル解放!フォティア!」
茉耶がソウルスキルを解放する。
「水身と火焔魔法ですか。反発しなければ
いいですね。」
桃也が少しニヤついた。
「行くぞ!」
上藤が仕掛ける。
スバッ!
すぐさま桃也が剣を振る!
ビュン!
上藤が切られる前に消える。
ドン!
次の瞬間、桃也は上藤に蹴られ数m飛んだ。
第7話 完




