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第2話 予兆

第2話 予兆


「あぁ?お前の親父さんは今さっき

死んだよ?」

デカブツの下には血だらけの見るも無惨な

姿になった大二が転がっていた。

みんなに衝撃が走る。

「父さぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

思わず宗也は大二であったものへ駆け寄り

泣き叫ぶ。

「嘘だぁぁぁ!父さぁぁぁん!うぐっ。

えぐっ。うあぁぁぁぁぁ!」

「ソウルスキル解放!オーバー!」

心の鍵を取り出し、胸に現れた錠前を

開ける。上藤はすぐに宗也を敵から

遠ざける。

「父さぁぁぁん!上藤さん!父さんを、

父さんを置いてかないでぇ!」

宗也は上藤に引きずられ皆んなのところへ

連れてこられる。

「宗也くん!アレはもう親父さん

じゃない!とにかく隠れて!」

上藤は宗也を皆んなのところへ置いた後、

デカブツの所へ向かった。

「大二さんをよくも!」

上藤はソウルスキルが強くデカブツとも

そこそこやり合えている。

「体がでかい分スピードが遅いな!」

敵を煽る余裕さえある。しかし、敵は2人。

宙を浮く人間は校舎の瓦礫を浮かせ、上藤へ

投げる。上藤は序盤こそ避けられていたが、

後半はかなり当たっていた。

宗也はいまだ父親の死に嘆いていた。

「うぁぁぁぁぁ!」

皆んなは宗也をなんて声を掛けてあげたら

いいか分からなかった。

宗也は狂い出した。

「ぐぁぁぁぁぁぁ!父さんの敵ぃぃぃ!」

突然、宗也は敵に向かって走り出した。

「ソウルスキル解放!グラスマン!」

心の鍵を取り出し、胸に現れた錠前を

開ける。使えないソウルスキル、

グラスマンを解放してまさに狂っていた。

「宗也!!」

皆んなは思わず名前を叫んだ。宗也が

行ってもなにもならない!と

言いたかったが、宗也には何も聞こえないと

思い、やめた。しかし、

ドンッ!メキメキ!

地面から巨大な根っこが生え、デカブツと

宙に浮く人間を貫いた!

「何が起きたんだ?」

皆んなは宗也に起きた事態を把握できない。

宗也はいまだ狂って巨大な根っこを操り、

デカブツと宙に浮く人間を攻撃し続けた。

「なっ、なんなんだコイツ。ボスはこんな

こと言ってなかったぞ!」

「知らないわよ!と、とにかく逃げる

わよ!」

宗也の荒れ様に驚き、ボロボロになりながら

逃げ帰った。その後も宗也はまだ

荒れていた。

「鷹斗くん!」

上藤が鷹斗を呼ぶ。鷹斗のソウルスキル

エクソムが必要だからだ。

「はい!ソウルスキル解放!エクソム!」

心の鍵を取り出し、胸に現れた錠前を

開ける。素早く宗也に触れ、宗也のソウル

スキルを解除する。瞬く間に巨大な根っこは

消え、宗也は気を失う。

バサッ。

「宗也!」

倒れそうになる宗也を上藤が抱える。

「宗也くん、君のソウルスキルは一体…。」

上藤は宗也の身を案じつつ、謎の根っこに

ついて考えている。

「とりあえず、宗也くんを病院へ!」

「は、はい!」

病院へ連絡する。来るまでは約10分程。

「あ、あのー上藤さん。私のソウルスキル

使っていいですか?」

玲衣奈はソウルスキルゲールズの持ち主。

どんな怪我や病気も死にかけまでなら治す

ことが出来る能力。宗也の現状に使えると

思ったそう。

「宗也くんは怪我や病気ではない。東海林

さんのソウルスキルは優秀だが、今回は

治せないと思う。」

宗也は目立った外傷はない。かと言って

完全に元気でもない。いわゆる心の病だ。

流石に心の病はゲールズでも治せない。

「そ、そうですね。」

そそくさと離れようとする。

「だが、君の存在は彼には必要だ。

病院でもそばに居てあげて。」

「は、はい!」

救急車が来る。

「どなたか来てくれませんか!?

状況をお聞きしたいので。」

「私と東海林さんが行くよ。」

玲衣奈が驚く。それを見て上藤は囁く。

「なぁに。状況を説明するだけだよ。

東海林さんは宗也くんについていて。」

「分かりました。」

宗也たちは救急車で病院へ向かう。

上藤は考察する。突然芽生えた宗也の

能力。なぜか敵に宗也が狙われている

ということ。前者は容易に想像出来た。

それは、伝説の"ソウルヴィジョン"と

いう物と似ている所があったからだ。

しかし、あくまでもそれは"伝説"である。

それはまだソウルスキルが社会的に浸透

していなかった昔の話。かつてソウルスキル

を解放させた男が同時に化身のような物を

解放し、そのソウルスキルを覚醒させた。

何が原因か、

誰か特有のものなのかまでは知られてない。

何故ならその後誰も"それ"を解放していない

とされているからだ。

噂では、Graveにはソウルヴィジョンを

所有している者も居ると聞くが………。

「もうすぐ病院着きますよ。」

考察しているうちに病院に着くようだ。

「急いで!」

病院の人たちは宗也の症状を聞きながら

急ぎ院内へ運ぶ。

「上藤さん、どうされたんですか?」

スタッフが上藤の血だらけの姿を見て聞く。

「ああ、これは返り血だから僕は怪我して

ないから大丈夫だ。」

といい、宗也に起こった出来事を説明する。


一方、手術室前。

「宗也……。」

ベンチに座り祈る玲衣奈。手術室の扉の

電気はまだ付いている。


上藤から説明を受けたスタッフは絶句する。

「そんな……。」

「あまりこの事を多くのスタッフに

知らせない方がいい。パニックになるから

ね。」

「そ、そう…ですね。」

「じゃあ、僕は戻るから宗也くんを

宜しく頼むよ。」

「は、はい!」

上藤は学校に戻る。


第2話 完

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