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第1話 襲撃

第1話 襲撃


俺の名は奈華木宗也(なかきそうや)

田舎の高校に通うごく普通の高校生だ。

この世界にはソウルスキルという特殊能力を

持つ者が人口の約9割もいる特殊な世界だ。

2150年、後に"2150事変"と呼ばれる

過激派ソウルスキル軍団、通称「Grave」が

引き起こした日本乗っ取り事件が起きた。

俺はその事件を経験していないが、

大人たちから教わった。"ゾルディック"

というGraveのリーダーはかなり強力な

ソウルスキルの持ち主らしく、

「これは世界を支配するための足掛かりだ。」

と言って日本政府は呆気なく倒されたらしい。

俺自身ももちろんソウルスキルを持っている。

しかし、これが弱いのなんのって。使い道が

いまだに分かってない。だって、

「草を靡かすってなんだよ!!」

全く腹立つソウルスキルだ。だが、ただその

能力で終わらす訳ではない。この能力の

使い方は、いや、応用法が必ずある。

そう信じて日々、考えている。とまあ、

長ったらしい説明はここまでにして、

学校まで歩くのだるいなぁ。

学校まで家から徒歩10分程。

宗也は時計を見る。時刻は8:15。1時間目

まであと5分である。

「あ、やっべー!ギリギリだ!」

校門から慌てて教室まで走る。途中、

「おい!奈華木!廊下は走るな!」

と先生に叱られるも教室まで突っ走る。

「はぁ、はぁ。なんとか間に合ったわ。」

やっとの思いで教室に入り、時刻は1分前。

教室内には笑いが起こる。

「テストは出来るのになんでいつもギリギリ

なのかね〜。」

「ギリギリだぞ〜。」

「危なかったな〜。」

「よっしゃーギリギリ間に合ったやん!」

「くっそ〜今日こそ遅刻すると思ったの

にな〜。」

中には賭けまでする生徒までいた。

チャイムが鳴り、いつも通り授業が始まる。

はずだった。

ドーン!!!

物凄い轟音と共に校舎全体が地震のように

振動している。その後直ぐに校舎から出て

避難するようにと、放送が入る。大きな

揺れと轟音で状況が分からない。急いで

グラウンドへと走る。グラウンドから校舎を

見た時、そこには巨大な怪物と宙に浮く人間

等、校舎全体をこれでもかと壊していた。

「あいつは何処だ!!」

「あんたが雑に壊すから分からなくなった

じゃないの!」

何か話しているがよく聞き取れない。

その後も大暴れしている怪物たちは、

何かを探しているようにも見える。

「いたぞ!!」

突然、宙に浮かんでいる人間がグラウンドを

指差して叫んだ。その声に呼応するように

怪物たちがグラウンドに走ってきた。

生徒や先生は急いで逃げる。散り散りに

なっている。怪物たちの動きがバラバラに

なると思ったが、宗也たちの方へ向かって

きた。宗也とは違う方向に走った生徒や

先生は何が起きたかわからなかったが、

とにかく近くの物陰に潜んで宗也たちを

見ていた。宗也たちは変わらず怪物に

追いかけられている。

「こっちくんな!!」

「なんでこっちだけなんだよ!!」

「いやぁぁぁぁ!!」

たまらず、ソウルスキルを使用する。

「ソウルスキル解放!ディーフェン!」

心の鍵を取り出し、胸に現れた錠前を

開ける。左腕に盾が現れる。宗也の父、

大二の能力だ。

ダンッ!

怪物の攻撃を盾で防ぐ。

「宗也!みんなと逃げろ!」

「父さんを置いてけないよ!!」

宙に浮く人間の攻撃が来る。

ドンッ!

盾で防ぐ。

「馬鹿か!このままじゃ全員共倒れだぞ!」

「で、でも!」

宗也は思った。いつもなら喧嘩で勝てるが、

この怪物たちは拳でどうにかなる連中じゃ

ないと。こうゆう時にはソウルスキルに

頼るのだが、生憎宗也のソウルスキルは

雑魚スキルだ。茉耶ちゃんにやって

もらうか?いや、父さんが許さないだろう。

待てよ?上藤さんは?上藤さんならどうにか

してくれるのでは?(この間0.5秒)

「みんな!父さんが守ってる間に

逃げるぞ!」

宗也の言葉に戸惑っていたが、従った。

逃げる間も大二は怪物たちの攻撃を盾や

体術で防いでいる。長くは持たないだろう。

「鷹斗!みんなをここで守れ!」

みんなが隠れた物陰まで逃げてきた時、

宗也はそう言った。

「宗也、お前はどうするんだよ。」

宗也の言葉に疑問を持ったみんなの代わりに

鷹斗が聞く。

「上藤さんを呼んでくる。」

それを聞いた皆んなは宗也に従う事にした。

宗也は全力で上藤のところへ走った。

学校から約15分くらい走ったとき、

向こうから誰かが走ってきた。上藤だ。

「はぁはぁ、上藤さん!!」

「宗也くん?」

「今、はぁはぁ、学校で、、、はぁはぁ。」

息を切らしながら学校で起きてることを

上藤に説明する。

「そんな事になっているか、なんとなく

騒ぎになってる事は分かっていたが

そこまでとは。分かった、急ごう。」

2人は学校まで全力で走る。

「はぁはぁ、上藤さんを連れてきました!」

その言葉に安心する皆んな。宗也は、

「父さん!上藤さんが来たよ!」

と大二がいる方を見る。そこには、

「あぁ?お前の親父さんは今さっき

死んだよ?」

デカブツの下には血だらけの見るも無惨な

姿になった大二が転がっていた。


第1話 完

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