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第37話 雨垂れ石を穿つ

「いないかぁ……」


俺はEクラス寮の前で、そう言葉をこぼした。

アルマを探して、数時間。

寮に戻っているかと思ったのだが、どうやらいないらしい。


ルイには練習場に残って、アルマとすれ違いにならないように指示しているが未だに音沙汰無し。

やっぱり今日も、アルマは中間テストの練習をするつもりはないらしい。


くそっ……どこにいるんだ?


アルマが居そうな場所(偏見)だけを頼りに、校舎内を走り回ったのだが手がかかり無し。

つか校舎広すぎだろ!ディズ〇ーランドか!?

まだ探せてない場所が多すぎる!


やっぱりこの学校で、人探し何て無茶なんだろうか……。

アルマがどこにいるのか、全然分からない。


ちょっとした『もう帰ってるのでは?』と言う望みを胸に、Eクラス寮まで来たがそれでも無駄足。つかEクラスの学生寮、本当にボロボロなんだな……。

こんなとこにアイツらは住んでんのか。


木造建築な上に、壁は剥がれてボロボロ。立て付けは悪いし、すきま風もエグそう。階段の鉄も錆びてて今にも崩れる気がしてならない。

Sクラスとここまで如実に差があるとはな……。


アルマもこんな場所に居たくなどないはず。

Eクラス寮をすぐにでも脱出すべきだってのに、ルイもあんなに努力してくれてるってのに……アルマは何をしているんだ。


これなら最初から来ないことを予測して、Eクラス前で待ち伏せすべきだった。

それともアイツが帰ってくるまでこの場所で待ち伏せするか?


いや……まだ時間はある。

探す時間は十分に残っているのだ。

とりあえずもう1回戻ってルイに戻ってきてないか聞いた後……いや……





「その流れで、何で僕を頼ることになるのかな……」


俺はカペラ先生の居る、自身の研究室に足を運んでいた。目の前のロリ少女は怪訝な顔つきで、僕を見つめる。明らかに意味がわからないと訴えるような表情。

ただそんな訝しげなロリ少女に、俺は全力で頭を下げた。


「何でもいいので、アルマが居そうな場所教えてください!」


そう叫ぶと、カペラ先生はビクッと肩を震わせる。


「いきなりうるさいぜ!ビックりしたじゃないか!」


からの俺を声量を飛び越えるような怒号。

絶対これ近所迷惑だろ。けど俺はめげずに、頭を下げる。


「教えて下さい!」


「……君、本当にめげないね。はぁ……君の言いたいことは分かったさ。ただ何でも僕に頼ればいいと思ったら、大間違いだぜ」


「それは分かってます。それでもお願いします!」


「なんなんだい、その謎の僕への信頼の厚さは……大体それは君の仲間の問題だろう。グループのリーダーである君が、責任を持って解決すべき問題じゃないのかい?人間関係も含め、中間テストの内容だろ?」


「……」


正論すぎる。

正論すぎるがここで論破されれば、迷宮入り確定。

ここで引く訳には行かない!


「確かにご最もではありますが、自身では手に余る事象が起こった際、他人を頼る行動はあるべき姿ではないんですか?それとも抱え込んで愚直な策を突っ走る方が、正しいとカペラ先生は仰るつもりですか?」


「よくもまあ、そんなに口が回るね。もちろん正しいと言うつもりはないが、失敗から学ぶものもある。大体……ひゃう!?」


言い返されるのは明白。

ならば先制攻撃!魔法でパンツを露わにして、動揺を誘うのみ!


「あっ、今日はクマさんパンツだ!」


「い、いや…それは……ゆ、油断してたと言うか……いやっ!い、いつもは前みたいにレースのどエロいパンツなんだ!」


「それ自分で言います?」


「僕は大人だからね!」


「それ関係あります?ではアドバイスお願いします」


「それこそ関係あるかぁーーーー!」


カペラ先生が再び吠えた。

近所迷惑なんだからほどほどにして欲しい。

しっかし困ったなぁ。どさくさに紛れてどうにかなると思ったのに……。


「はぁはぁ……逆によくこれでアドバイスをもらえると思ったね。尊敬するぜ……」


「いやぁ、照れます」


「褒めてないぜ!?あと今ので、アドバイスする気は全て消えたよ」


「えぇ!?カペラ先生お願いしますよ!先生しか頼る人がいないんです!」


「頼る人って……クラスメイトでも頼ればいいじゃないか。君には居たはずだろ」


「いや……試験直前だって言うのに、迷惑はかけれませんよ。忙しいだろうし……」


「まるで僕が忙しくないみたいな言い草じゃないか」


「え!?忙しくないだろ」


「そんなわけないに決まってるじゃないか!僕だって魔術師として研究を続けているし、魔術協会の仕事もやってるのさ」


「……寝てたじゃん」


「へ!?」


「カペラ先生、僕が来るまで寝てましたよね?」


「い、いやそんなこと…ない……ぜ?」


「その袖のよだれの痕跡、机に置かれた魔術本の痕跡。そして髪の寝癖と、頬の後。バレバレですよ」


「え!?あっいや……寝てたぜ……すいません嘘吐きました。け、けど睡眠も立派な仕事で……」


「屁理屈だ」


「き、君には言われたくないぜ!と、とにかく何を言われようと、僕は何もしないぜ。大体そのアルマ…だっけ?そんな見ず知らずの人がどこにいるかなんて、僕が分かるわけないじゃないか」


「いや、カペラ先生なら何かヒントを持っていると思って……」


「だからなんなんだい、その謎の信頼は……」


「カペラ先生は元生徒だったわけですし、人目を避けたい人物がどこに行くかとか……目星あるんじゃないですか?」


「それは……ある…かも」


「やっぱり!」


「あ!?やばっ!?」


やっぱりなんか知ってたか!

何となくそんな気がしたんだよな。

この学園についてカペラ以上に、知っている知り合いはいない。彼女からなんとしてでも聞き出さねば。


こうなったら、手段を選ばず引き出すしかない!

僕はバッとカペラ先生の手を両手で握った。


「先生!お願いします!教えてください!」


「び、ビックリした……いきなり人の手を掴むもんじゃないぜ…君……。前にも言ったじゃないか、チーム関係もテストの内容の一つで、教員はテストに関して必要以上に手助けはしてはいけない。僕は教員では無いけれど、顧問と言う立場上、君を手助けをするのは今後を考えても良くない。だから助けない」


「ひど……」


「君が甘えん坊なだけだぜ。いつでも僕を頼るようになったら、困るよ。僕は君の母親じゃない」


「ママのケチ〜」


「僕をママと呼ぶな!」


ロリママ……なんだろう。

悪くない気がしてきた。

って俺は何を考えているんだ。


「はぁ……助けてくれてもいいじゃないですか。こんなに可愛い先生の弟子が困ってるんですよ」


「自分で可愛いとか言う生徒は、可愛くないぜ。と言うか君、僕の弟子なのかい?」


「担当顧問と生徒ですから、師弟関係のようなものですよ」


「ふむ……確かに…いやっ、なるほど……そうか……」


「ん?どうかしました?」


「いや……」


そう否定するも、明らかにカペラ先生の様子が変わった。何かを考え込むような様子。

なんだろう。師弟関係ってのが、なんか引っかかったんだろうか?


そう疑問を抱くも、その疑問が解決するより早くカペラ先生が口を開いた。


「そうか…僕の弟子……でへ、でへへへ……」


なにこのキショい笑みと、笑い声。

女騎士を捕まえたオークみたいな顔してる。


「……ふむ、おっほん。しょ、しょうがないぜ……今回だけ、弟子の言うことを聞いてあげるぜ」


「ホントですか!?」


「ま、まぁ。僕は君の師匠だからね!あは!ハッハッハ!」


カペラ先生は謎の高笑いをしている。

なぜだろう。理解できない。

あんなに教員はうんたらかんたら言ってたのに、なんだったんだよあれは……。


なんか唐突に上機嫌になったし、笑い方聞いたことないくらい気持ち悪かったし……


けど……


とりあえず目的達成!

読んで頂き感謝申し上げます。

評価、いいね、ブックマーク登録よろしくお願い申し上げます。

まさか投稿するのに、これほど期間が空いてしまうとは思いませんでした。

多忙ではありますが、投稿続けていきますのでよろしくお願いします。

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