綺麗になりたくて
綺麗になりたくて
わたしの名前はそれな。今年の誕生日で7歳になる女の子だ。友達は大体スマホを持っててLINEグループトークしてるのに、わたしはスマホをまだ持っていない。そんな退屈な日々の中ブラウザを開きネットサーフィンしてたら、あるチャットサイトに辿り着き。そこで日々憂さ晴らしに退屈なチャットをして時間を潰しながら趣味の小説を書いていた。こんな毎日が続くのかな?早くスマホ欲しいなぁ。
そう思いながら今日もチャットしていると、橋蔵という人に出会った。その人から口説かれて困っていたが、そんなに悪い人では無いから更に困り物。橋蔵はわたしの顔を知らないから口説いているんだと、似た顔の何かを見せて、わたし不細工だからって突っぱねた。すると橋蔵はそんな事には動じず、鏡を見る習性をつけたら顔は変わると言ってきた。
これはそんなやり取りから試しに手鏡を買ってみたわたしの物語。
最初は半信半疑だったし、可愛くなったら儲けものくらいにしか考えて無かった。わたしは誕生日が過ぎて自分で自分に誕生日プレゼントとして手鏡を購入した。小学生のわたしには百均の手鏡で十分だろうと思い、軽い気持ちで手鏡を手に入れてしまった。
これが奇跡まで行かなくても確かに効果はあったのが後からの事だったし、長い目で見たらきっと大人になった時くらいにあの時、手鏡を買って良かったと確信出来る事が起こる。
わたしは朝起きて洗顔歯磨きをする時に昨日買った手鏡を見てみた。すると寝癖が髪についてる事に気付き水でしゃしゃっと整えた。
何気無い事だし小さな事だと思うけど確実にわたしの顔つきは良くなった。
チャットで今朝の事を橋蔵に話すと、それな!って短く感想を言う。わたしは鏡の効果をもっと知りたいと橋蔵に聞いてみたが、それなが自分で鏡見るしか無いよ、それw
わたしは、それな!と返した。
†††
あれから何年も経ってわたしは大人になっていた。手鏡を見る習性がついてから化粧やら何やら詳しくなった。顔は変わるって橋蔵が言ってたのはこの事だろうか?でも、不細工だからって言わなくなった自分は本当に大好き!
わたしは変われたんだよね……