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プロローグ

 今日は一言もしゃべらなかったなぁ……そう思いながら学校から歩いて帰宅している最中のことだった。遠くのほうから犬が歩いてきた。

 

 そう、犬だけが……


 不思議なことに犬は俺のほうにやってきたかと思うと、目の前でおすわりを披露して見せたのだった。


 新手のどっきりか!? 動画撮影でもしてんのか!? 

 

 そう、思いながらも俺はその犬、そのダックスフンドの頭を撫でたのだった。

気持ちよさそうに、されるがままにしている姿にしばらく癒されていたが一向に誰かが来る気配もない。

手を頭から首へ愛撫しようと移動させたとき、何かが俺の手に当たった。首輪だった。


 どうやら、首輪やおすわりをする姿からこのダックスは飼い犬だと分かった。

どっきりや撮影はないことに安堵したが、周りを見渡しても飼い主らしき人はいなかった。


「どうしたんの?迷子?それとも脱走したのかい?」


 犬に話しかけながら、首や背中、わきの下など様々な部分をしばらく撫でた。

だがしかし、待てども待てども飼い主らしき人が来る気配はなかった。30分程で待つのをやめた。


 ここで俺にはこのまま見過ごすという選択肢はなかった。なぜなら俺も犬を飼っていて、犬が大好き……

いや、愛しているからだ。迷子犬に遭遇することも、保護することも初めてだったが迷いはなかった。


「一緒においで」


 犬にそう話しかけると、胴長短足の体で飛びついてきた。愛いやつめ。


 こうして俺は迷子犬を保護したのだった。


――数時間後サラサラの黒い長髪、カラコンをしているかのような大きい瞳、小顔でスタイルのいい絶世の美女が大きな胸を揺らしながら、息を切らしながら走ってきた。


「ここにもいない……」


 既に迷子犬は保護された後であり、彼と彼女は会うことはできなかった……


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