第9話 魔核/剣術指導
「ミュウちゃん。魔石を魔工石にするのを手伝ってもらってもいい?」
今後の、収入の為に、昨日寝る前にいろいろと考えた。
喫茶店とか飲食店が真っ先に頭に浮かんだ。
しかし、孤児院の敷地内で行うとなると、孤児院の子は汚いという固定概念が住み着いているであろうこの街で飲食店を行なうのは得策だとは思えなかった。
それに、悪質なクレーム客が来たりすることも考慮してやめることにした。
飲食店は廃棄の代金なども考慮しないからいろいろと大変そうだし。
その後に、考えたのが、デビルホールを使った、修復屋。
これは、わたしじゃないと出来なさそうなのでやめた。
薬草の栽培とかもいいかなーと思ったけど、ミュウちゃん含め孤児院の子が、経験のあることにしたらすぐに結果が出るのでは?という結論に至った。
それが魔工石についてだ。
魔物の核いわゆる魔核。魔物に魔力が宿った核がある。
魔物を解体して、魔石をとりその魔石の中に魔核がある。
魔道具のエネルギー(燃料)として使われたり、錬金術士の材料などに利用される。
強い魔物ほど品質が良く、高く取引される。
魔法使いの武器に装着して、魔法の発動を早めたり、魔法の威力を高めたりする効果がある。
魔法を使わないゴブリンやオーク、ウルフなどの個体からは白色の魔石で魔核がグレー。
しかし、その同じ魔核としてのくくりなのだが効果が異なるようだ。
何の取り柄もないグリーンゴブリンは(生命力・攻撃力・守備力・俊敏力)を微小の効果をあげる。
イノオークは、攻撃力・守備力をあげる。
ウルフは俊敏力を上げると言った具合に効果が異なる。
魔核はグレー以外にも種類がある。
火魔法を使うオレンジスライムならば、魔石の中にある魔核はオレンジ色で火魔法。因みにレッドスライムであれば赤色で炎魔法を使う為、赤色の魔核。オレンジよりも赤色の方が質が良い。
【魔核(魔工石)の種類】
無魔法⇒グレー(固体により、魔力を除く能力値の上昇に効果あり)
火魔法⇒オレンジ色(ライター的な扱い。灯火)
炎魔法⇒赤色
水魔法⇒水色(飲み水としての扱い)
氷魔法⇒青色
風魔法⇒緑色(工房などで煙を外に出すときなどに使われる)
雷魔法⇒黄色(灯火的な扱いであるが高価な為、灯火としてはあまり使われない。)
土魔法⇒うすい茶色
岩魔法⇒濃い茶色
収納魔法⇒紫色(マジックバッグ(収納魔法に似ている)の材料として使われる)
因みに、こんな情報を知っているのは、リリアさんが文字と算学をお孤児院の子に教えているから。
本が読めるミュウちゃんは、魔工石店(魔道具店)の店長にお願いして本を読ませてもらったらしい。
因みに文字を読み書きでき、算数をできる孤児院の子が孤児院を出た後に、冒険者を行なったりしているかというと、孤児院の出身というだけで信用がないかららしい。
商業ギルドに登録できない為、商人になれないみたいだ。
「うんっ。大丈夫だよ」
わたしの着ていた服を手に持った状態のミュゥちゃん。
「あれっ、洗濯の途中だった?それなら、また後でもいいけど」
「ううん、できたらこれは寝るときように頂けると。癒やされるので。癒しアイテム」
もごもご言ってよく聞き取れない。
もう少し洗濯に時間がかかりそうなので、タブレットでマップを確認して、魔道具店に行くことにした。
「大振りではいかん。スマートに動かすのじゃ」
外に出ると、ランゼフさんが男の子に剣を教えていた。
もちろん、木でできた剣である。
ランゼフさんが剣術スキルを持っているのを昨日ステータス画面を見せてもらい確認済みである。
やっぱり、あこがれるよね。剣術。
こう、シュパッと。
『わたしは未だ、力の半分も使っていない』だったり『安心せい、みねうちじゃ』とか『大丈夫じゃ、急所は避けた、あやつは生かしておる』とか言いたいよね。
『わたしの剣が血を欲しておる』あっこれは中2病っぽい笑