第13話 ドライマー/ラーラーラー商会/ポンポコ
ひたすら、アルファーの街の近場(しらゆきのスピードは速いため、10km先でも近場)の魔物を討伐。その魔石を孤児院に納品。
魔工石に加工してもらう、を繰り返した数日。
わたしは、ドライヤー(ドライマーと命名)の開発に成功した。
ドライマーと言っても地球のような電化製品のドライヤーではない。
作るの私には、難しかった。
デビルホールで頭に思い浮かべれば、収納している材料が消費されてドライヤーの魔道具を作ることはできた。
しかし、デビルホールを使わずに手作りとなるとかなり悩むことになった。
水の魔石、火の魔石、風の魔石を組み合わせて作ったドライヤーの役割を果たす魔道具ドライマー。
新しい魔道具の発明に際し気づいたこととして、3種の魔石が同じ種族のモンスターであること。
要は、ブルースライム、オレンジスライム、ウィンドスライムからとれて加工した魔工石ならば、上手く合致し、ドライヤーとしての機能が発動。
ブルースライム、オレンジスライム、ゴブリンマジシャン(風魔法を覚えている固体。火魔法を覚えていてもゴブリンマジシャンという。水魔法の場合も同様)の魔石を魔工石にして、魔道具として板(魔力を帯びていないといけない為森の中の木から板を作る)にはめ合わせても、ダメ。
このドライヤーもどき、ドライマーと名付けて販売することにした。
売った場所は、商業ギルド。
セシリアさんは、商業ギルドのギルドマスターの娘さんだったみたい。
『悪いようにはしませんので、今後もよろしくお願いします』と頭を下げられた。
画期的な発明らしい。
奥様方に大流行。
孤児院のみんなが喜んでいたのもわかっていたから、売れるのは確信があった。
手軽に購入できる。
魔石も全く強くないFランクのブルースライム、オレンジスライム、ウィンドスライムのため、魔工石の貯めこまれた魔力がなくなり砕けてしまったとしても、追加分の魔工石を2食(1食500Jとして考える)我慢すれば購入できる。
わたしが直接、商店を立ち上げ商会として動いても良かったのだけど、この街にいる、セシリアさんの親戚が商会長を行なっている、ラーラーラ商会に、ある程度のことをお願いすることにした。
孤児院は、魔石を魔工石にするだけ。
実際にラーラーラ商会の長に会った、良い人だった。
子どもは手が小さいから低ランクの魔石を魔工石にするのにはうってつけだと後で気づいた。
因みに、わたしはデビルホールのおかげで簡単に魔石から魔工石(魔核)のみを取り出せるチート。
なおかつ、魔核に傷などあるはずもなく最高品質になってしまうというさらにチート笑。
売り上げ上々のため、スラムの子たちも、雇った。
場所は孤児院の隣の土地を購入して、そこにきつねハウスを次々と建てた。
木造のきつねハウス。
1億1111万1110円(J)をきつね神様のルナちゃんにもらっていたから丸々1億円分土地を購入した。
更地だったのと、孤児院とスラムエリアの付近だったため低価格だったので結構な広さの土地をGET。
今では、きつね通りと呼ばれているみたい。
「目標の収穫、終わりました」
冒険者をしていた際に、足を痛めて歩けなくなった男性をスラムエリアにて発見。
その男性の妻も、子どもが小さいため働きに行けないといった状態でスラムで暮らすしかない状態だった。
それをわたしが、エンジェルラファーで完治させ、なおかつ回復魔法が授与されたため、わたしに忠誠を誓う感じになった男性とその家族。
わたしのことを神の使い使徒さまだと、勘違いしている。
男性は冒険者として、その妻は、きつねハウスの1つの社員食堂で働いてくれている。
シャーナが働いているとき、子ども(シャラ)女の子はきつねハウスの託児所に預けている。
「ご苦労様です」
「領主の馬車がこの場所付近に向かって来てました」
ラッシュの報告を聞いて考える。
この場所は一方通行。
こちらに向かってきているんじゃないかな?
思ったよりも、領主が絡んでくるのが遅かったなーと思う。
因みになぜ、馬車よりもラッシュが早く辿り着いたのかと言うと、しらゆきを護衛につけているから。
しらゆきに乗ったら、馬車なんてあっという間に追い抜く速度。
ラッシュには、マジックバッグの高品質(高ランク)のものを渡しているため1人でも問題ない(ドライマ―の秘密を狙いちょっかいをかけてきた商会からいただいた。てへぺろ)
しかも、討伐するのはFランクモンスターとそれ以外は、食肉となるオーク。
下手打たない限り、元Aランク冒険者(今は、冒険者として再登録したため、Dランク冒険者、強いモンスターを討伐させていない為ランクが上がっていない)のラッシュに任せて問題ない。
「こほんっ、ぽんは、この街の領主ぽん」
領主の馬車に半ば強制的に乗せられて連れてこられた領主の屋敷。
おなかをぽんぽことたたくおじさんがイスに座っている。
可愛らしいおじさん。
たぬきおやじ(年老いてずるがしこい男)ではないことを祈るばかり。